▽決勝
TeamN 10000 1
塩尻BBC 7602× 15
(5回コールドゲーム)
小学生軟式野球の高円宮杯全日本学童大会予選を兼ねた第43回県学童選手権春季大会は6月15、16日、4地区代表の計16チームが出場して松本市のセキスイハイム松本スタジアムなどで開いた。決勝で塩尻BBC(塩尻市)がTeamN(長野市)を15─1(5回コールド)で破り初優勝。全国大会(8月15~21日、東京・神宮球場ほか)出場を決めた。
決勝で塩尻は初回、1番小松愛翔(あいと)(塩尻東6)の中越え三塁打に始まる4連打を含め、打者11人8安打の猛攻で一挙7得点。2回も先頭の3番西村優太朗(同)の中越え三塁打を皮切りに5連打などで6点を挙げ、早々に試合を決めた。
投げては先発の西村が立ち上がりに1点を失ったが、その後は危なげない投球。4回は五島健志(吉田6)、5回は小松が締めた。
圧倒的打力と安定の4本柱
塩尻BBCは塩尻市の大門スーパーイーグルス、野村ボンバーズ、吉田スポーツ少年団の連合チーム。全国大会出場を目標に2017年に結成(吉田は今年から参加)したその年に決勝まで進んだが、同じ選抜チームの松本ライオンズに敗れて涙をのんだ。
以降毎年のように上位を続け、8年目でようやく“小学生の甲子園”といわれる大会の県代表に。塩尻勢として初の快挙に、当初から指揮を執る中山清監督(56)は「夢には見たが、まさか勝てるとは」と驚いた。
19安打で長野市の強豪を粉砕した決勝を含め、4試合で計51得点と圧倒的な打力が武器。松本と対戦した準決勝も、山﨑義琉(たける)(片丘6)に2打席連続で本塁打が飛び出すなど打ちまくり、相手の守備の乱れもあり12─0で圧勝した。
が、打力だけで県の頂点に立てるはずはない。準決勝の3回、先発の左腕百瀬壮汰(塩尻西6)が連続四球で二死満塁のピンチを招くと、小松がマウンドへ上がり後続をピシャリ。2人の継投に、過去12回優勝の松本が無安打に封じられた。
けが防止のため、投手の球数は1日70球に制限される。勝ち進むほど投手のやりくりに苦しむチームが多い中、西村も左腕の五島もいる4本柱の存在は大きい。加えて「ボールが一つ動けば9人全員が動く。カバーリングをしっかり」(中山監督)と教える守備も、県王者にふさわしい堅さだった。
今季のチーム発足は1月末。その後全員が集まる練習は月2回ほどと、連合ゆえの難しさはあるが、主将の小松は「みんな仲が良いだけでなく、試合が始まれば集中する。協力して全国で優勝したい」と先を見た。
○…百瀬壮汰(大会2試合で先発、決勝で4打点と投打で活躍)「打たれなかったのでよかったが、全国大会では四球を出さないよう気を付ける」
○…山﨑義琉(準決勝で2打席連続本塁打、決勝も3打点)「走者をかえす意識で打ったのが、結果的に本塁打になった。全国では1点差で勝つような試合がしたい」