上土シネマチャリティー企画 高3の藤本壮志さん “完全復活”後押し音楽ライブ

人が集まる状況つくりたい

松本市の信濃むつみ高校3年・藤本壮志さん(18)は、2008年に閉館した同市上土地区の映画館「上土シネマ」(大手4)を“完全復活”させたいと、7月13、14日に同館でチャリティーイベントを企画した。利用可能な小ホールで音楽ライブを行い、収益を使用できなくなっている大ホールの改修費用に充ててもらおうと、管理団体に寄付する。

上土シネマは1917(大正6)年ごろ、市民有志の出資で「松本電気館」として開館。周辺環境の変化と建物の老朽化で、約90年間の歴史に幕を閉じた。正面が鋼板で覆われた2階建ての建物は、大改修はされているが開館当時のものといい、2016年に「松本市近代遺産」に登録。21年以降は一帯の商店主らでつくる「上土大正ロマンのまちづくり協議会」が所有者から借りて管理し、協議会による再生プロジェクトも進行中だ。

インディーズバンドが演奏

祖父が近くの縄手通りで映画館「松本中劇」(04年閉館)を営んでいた藤本さん。その建物は自身が生まれる前に取り壊されたが、22年に市内で初開催された「マツモト建築芸術祭」で、会場の一つになった上土シネマに初めて足を踏み入れ、映画館だった頃の姿をとどめているのに感銘を受けた。3回目となった今年の同芸術祭では会場にならなかったため、「1日でもイベントを催し、人が集まる状況をつくりたい」とライブ開催を発案した。
復活を願う約200席の大ホールは、消防法などの基準を満たしていないため使用できず、館内は水道が止まっているためトイレも使えないが、「インディーズバンドのライブなど、挑戦的なことに使うのにちょうどいい規模と雰囲気」と藤本さん。目標の寄付金額は、経費を差し引いて10万円。学校や周辺の商店などに協力を呼びかけ、協賛金も集めている。
自身の音楽活動を通じて知り合った、趣旨に賛同する県内外のバンドが出演し、当日の運営を手伝ってくれる大学生もいる。「イベントをきっかけに、協議会や僕と同じように何かやろうという人が出てきたらうれしい。自分ができることは小さいけれど、将来の完全復活を目指したい」と藤本さん。
13日正午~午後5時は県内のバンド、14日午後3~10時は東京のインディーズバンド「ろくようび」「MOKU」「THEティバ」などが出演。藤本さんも数組でドラムをたたく。入場料は13日500円、14日は予約3000円、当日3500円、学生2500円。詳細と予約は藤本さんのインスタグラム=https://www.instagram.com/painazinn46/=で。