蟻ケ崎の藤原さん宅にキセキレイのひな 猫から守り巣立ち待つ

松本市蟻ケ崎の藤原和登さん(70)の自宅庭で6月上旬、キセキレイのひなが生まれ、親鳥がせっせと餌を運んでいる。ひなを狙う猫がいるため、藤原さんは毎日午前3時半に起きて、妻と交代で見張りの番をしており、「なんせかわいくて」と相好を崩す。
おなかの黄色い羽毛と長い尾羽が美しいキセキレイ。巣は岩に根付かせたイワヒバの中に作られ、5羽のひなが巣の中で親の帰りを待つ。親鳥はひっきりなしに餌を運んではひなの口に入れ、時折巣の中のふんを運び出す。
キセキレイのつがいが庭に姿を見せたのは4月。「あれは巣作りの場所を探してたんだね」と和登さん。5月初め、2羽が庭でダンスのような動きをしていたため、「ひょっとすると」と期待したら案の定、翌日、岩に巣作りを始めた。
最初の卵が生まれたのは5月22日。そこから毎日1個ずつ、合計6個の卵を産み、6月7日、3羽が孵化(ふか)した。夫婦で大喜びしたが、9日に2枚の尾羽が庭に落ちているのを見つけた。「猫からひなを守らなければ」。夜明け前から午後8時までの見張り生活が始まった。
「東を見張っていたら西から来るでね。気が抜けないだよ」と苦笑いだが、その顔は充実感でいっぱい。「すべての営みを自然のまま目の当たりにし、鳥たちからとても豊かな時間をもらっている。巣立つまで見守り続ける」と話す顔は、親そのものだ。