開設5カ月 松川村のシニアが運営「喜楽カフェどっこい所」

居心地よいみんなの居場所

松川村のすずの音ホールの入り口付近にある村民ギャラリーは、毎週月曜の昼間、誰もが気軽に立ち寄れるカフェスペース「喜楽(きらく)カフェどっこい所(しょ)」になる。さまざまな年代が交流する地域の居場所づくりを目的に、村内のシニア世代の仲間たちが運営し、開設から5カ月を迎える。気取らない、居心地のよい場所に1日平均40人を超える人が訪れ、みんな笑顔になって帰っていく。

会話や体験 楽しみ方自由

「いらっしゃい」「お久しぶり!」。「どっこい所」のワッペンが付いたエプロン姿のスタッフらが来場者を気さくに出迎える。参加協力金は1人100円。15席ほどを設け、コーヒーや紅茶、緑茶などを飲みながら自由にくつろげる空間だ。
居合わせた人同士やスタッフらと歓談したり、折り紙や紙バンドのクラフト、絵手紙など簡単な体験(開催日で異なる)を楽しんだりできる。
村公民館や図書館が入る施設柄、講座や催しの参加者や本を借りに来た人などがふらっと立ち寄る姿もある。健康体操教室帰りの村内の84歳女性は、仲間2人と訪れ、乾いた喉を潤しながらおしゃべり。「皆さんとの会話からいろんな情報が得られるし、スタッフも親切。本当にいい所ができた」と笑顔を見せた。

雰囲気づくりに来場者らも協力

「どっこい所」の運営は、県長寿社会開発センター大北地区賛助会松川グループの有志が、社会福祉や地域貢献活動の一環として取り組む。1人暮らしの高齢者や高齢者世帯、子育てや学校での悩みを抱える若い世代や子どもなど、孤立したり、引きこもったりする人たちも含め、地域に気楽に集える居場所が必要では|との考えからだ。
村地域づくり支援金を活用するほか、会場や飲み物の準備などを手伝うサポーター、協賛会員の募集を地域に呼びかけ、1月下旬にプレオープン、4月から本格的に開設した。初回から予想を大幅に上回る来場があり、周辺市町村から訪れる人も。利用者の大半が50代以上だ。
当初、飲み物は紙コップを使っていたが、スタッフやサポーターが自宅などにあったカップやグラス、シュガーポットを持ち寄り、お茶請けに手作りの漬物を振る舞う。
また、各人が手がけた手芸や工芸品などの販売・お裾分けコーナーを設けるなど、雰囲気づくりも工夫。オープン直後の時間に丹精した山野草の鉢を持参して、会場の彩りにさりげなく協力してくれる来場者もいるという。
副所長の髙田武さん(83、同村)は「スタッフ、サポーターをはじめ来場者も、自分の好きなことを発揮するなど工夫し、無理なくみんなでつくり上げる居場所になってきた」と手応えを感じている。
所長の伊藤公平さん(76、同)は「私たちにとっても、ここは居場所。来たくても移動手段のない人たちへの対応なども検討し、もっと大勢に足を運んでもらえたら」と話した。
毎週月曜午前11時~午後4時。