【ガンズリポート】「街を代表して戦う」 6月29日信州ダービーリーグ初戦

松本山雅FCは29日、J3リーグ第19節でAC長野パルセイロと対戦する。県勢のJリーグクラブ同士による“信州ダービー”は今季2度目で、リーグ戦は1回目。宿敵との対戦の“10日前”イベントとして19日夜、松本市立博物館でトークショーが開かれた。選手にとって信州ダービーとは―。

宿敵との対戦思い語る

登壇したのは、在籍通算11季のGK村山智彦(36)、8季のDF橋内優也(36)のベテラン2人と、山雅運営会社社員で山雅とパルセイロの両方でプレーした山本大貴さん(32)。約100人のファン・サポーターを前に、3人が語った思いをテーマに分けて紹介する。
【信州ダービーの認識】
村山(J3初年の)2022年の県選手権決勝で、初めて空気感の違いを感じた。両チームのサポーターや運営会社から伝わってきた。
橋内17年の入団時に、強化担当から長野と松本を巡る歴史を教えられた。「長野県」より「信州」を使うのが適切だと。
徳島にいた時は愛媛との四国ダービーがあったが、ヴォルティスというクラブのために戦っていた。昨季に霜田(正浩監督)さんが「松本の代表として、街の思いを代表して山雅が戦う」と話し、最近入った選手も含めて認識を新たにした。
山本(昨季在籍したパルセイロでは)木理己監督はさほど盛り上げなかったが、(前任の)シュタルフ悠紀監督はすごかった。信州ダービーの前はドイツのルール(地方)ダービーの映像を見てから練習したし、「緑のスパイクは履くな」と言っていた。
【ダービーの記憶】
村山勝った時より負けた時のつらさ。去年の県選手権決勝は、サンアルの山雅側のゴールで行われたPK戦で負けた。相手が喜んだり、うちのサポーターをあおったりするのを見るのが嫌で。でも、負けたから何も言えなかった。
橋内僕も負けた試合。昨年のアウェー戦終了後に食らったブーイングは忘れない。降格した時にもなかった強烈さだった。ダービーの重要度は分かっていたが、改めて認識した。
知り合いには「ダービーだけ負けなければいい」という人もいる。今年はしっかり勝って(山雅だけ)J2に昇格して、もうやらないようにしたい。
山本僕は昨年(パルセイロで)点を決めて、純粋にうれしくて喜んだ(笑)。さすがに山雅側のゴールで決めたら喜ばなかったが。
【ダービー後】
村山お互いにパワーを使うゲームで、リカバーが難しい。去年もホームで勝った翌週に沼津に負けた。今年はしっかり修正したい。
橋内ダービーには、ものすごく気持ちを高めて入る。他の試合に気合を入れてないわけじゃなく、同じ熱量で臨むのがプロだが、難しい。今年は、一人一人がどの試合も同じメンタルで戦える強い選手になり、波がない戦いができるようにしないと。
【信州サッカーにとってのダービー】
村山スタジアムで見て、ダービーを肌で感じてほしい。信州サッカーを盛り上げようよ。