手応えと勝てぬ不安
今季2度目の“信州ダービー”も勝ちきれなかった。5月の県選手権決勝に続き、松本山雅FCは優勢に試合を進め、先制に成功したが、90分で望む結果は出せなかった。手応えと不安。宿敵相手との戦いで現在地を見つめ直し、シーズンを折り返した。
「自分たちのサッカー」共有も遂行力に問題
「自分たちのサッカーは間違いなく積み上がってきている」。主将のMF菊井悠介は半年をそう振り返った。ボールを主体的に動かすことを掲げる霜田正浩監督の2季目。攻守がかみ合うと、16、17節のような快勝を演じられる。
だが、そのスタイルを見失うことがある。この日は先制した後だ。「長いボールを蹴ってセカンドボールを相手に拾われた」と中盤を支えるMF山本康裕。もう1人の中盤の柱、MF米原秀亮も「間延びした」。後ろから前線まで陣形が延びれば、ロングボールに頼りがちになる。
自ら相手に主導権を渡すようなプレーを、山本康は「悪い癖」と表現した。後半ロスタイムに追い付かれた14節の北九州戦で「後ろからつなぐことを怖がるとこうなる」と指摘したベテランは、この日も「僕らはボールをつなぐことを練習している。それをやらないといけない」と繰り返した。
霜田監督も「やはりもっとボールを握ら(支配し)なければいけない」と強調。選手もベンチも「自分たちのサッカー」像は共有している。そして、その遂行力が問題だということも。
折り返し時点での勝ち点は昨季より1少ないが、自動昇格できる2位との差は半分の4。混戦を抜け出す鍵は、自分たちが握っている。