松本山雅FCのレディース選手やスタッフが2~6日、来日した米プロリーグMSL「レアル・ソルトレーク」のレディースU─15(15歳以下)チームと交流した。外国人選手と練習や試合でじかに競り合ったり、コミュニケーションを取ったりして刺激を受けた。
両クラブは2017年に業務提携を結び、19年2~3月に山雅のU─18(18歳以下)チームが、20年3~4月にはレディースU─15チームが米国を訪問。コロナ禍を挟み、今回は山雅が迎える側になった。
ピッチでの交流は、まずスタッフから。松本市サッカー場で2、3日、山雅のコーチ陣が米国の選手たちの練習を指導した。プロ志望というケイト・エドリントン(15)は「スペースの使い方もシュートも指導が細かい」と感心していた。
練習中はスタッフと選手の間で声がけが絶えず、時折笑い声も。山雅レディースの小林陽介監督(41)は「(米国の選手は)山雅の選手と変わらず元気で真面目。コーチ陣との距離はより近く、オープンマインドで気持ちよくプレーする。これからの指導で参考にしたい」。
6日はサンプロアルウィンで練習試合。ピッチに入る前の顔合わせで、山雅の選手たちから「脚が長い。やばい」との声が漏れた。実際のプレーでも体格差に押される場面が目立った。
MF平田恵里奈(21)は「年齢は下だが、スピードがあって強い。私たちが助走3歩で蹴る状況でも、1歩でドンと蹴れる。対応できなかった」。MF廣井雪乃(25)も「競り合いで体を入れようとしても逃げられてしまう」。貴重な経験に「米国人選手との1対1を考えて練習すれば強くなる」と口をそろえ、充実した表情を見せた。
選手らはプレースタイルの違いを実感したり、英語でコミュニケーションをとったりと、松本に居ながら国際経験を積む機会に。同じU─15年代の選手らは、昼食を囲みながらおしゃべりする機会もあった。
レアル・ソルトレーク育成部門統括責任者のブレント・アーウィンさんは「これがコロナ禍で止まった交流を再開する第一歩。若い世代のスポーツを通した交流を、再構築していきたい」。レディースチームを運営するNPO法人松本山雅スポーツクラブの柄澤深理事長も「今後も続け、互いの成長につながればいい」と話していた。