HSC理解し寄り添いを-HSCアドバイザー・金井さんと不登校保護者会代表・百瀬さんが勉強会

HSC(人一倍敏感な子ども)について学ぼう-。元小学校教員で不登校の児童・生徒らを持つ保護者の集まり「モモの会」代表の百瀬敬子さん(山形村)は6月、HSCの勉強会を山形村で開きました。子どもが当事者でHSCアドバイザーとして活動する金井加津子さん(松本市)と百瀬さんが講師を務め、保護者や保育士、教員ら約70人が参加しました。

金井さんはHSC/HSPの特性について、▽深く考える▽過剰に刺激を受けやすい▽感情の反応が強く、共感力が高い▽ささいな刺激を察知する-などと説明。これらが日常生活で表れる事例として、▽いろいろな可能性を考えてから行動するため、始めるまでに時間がかかり決断が遅くなる(石橋をたたいて渡る)▽大きな音や服のチクチクする感触などが苦手▽予定外のサプライズが苦手▽他人の喜びも苦しみも自分のことのように強く感じる▽痛みや刺激に弱い-などと紹介しました。
刺激を強く感じて脳で処理する-を繰り返しているHSCが、刺激が多い学校で1日過ごすのはとても疲れるといい、「時には学校を休んで、脳と体を休めることも必要です」。
外部から「甘やかしている」「学校は行くもの」と言われるかもしれないが、「刺激が多過ぎる環境は避けてもいい、という価値観を認めてあげてください」と強調。痛みやつらさを訴えられたときは、「大したことないよ」「気のせいじゃない?」ではなく、「そうなんだね」「つらかったよね」と丸ごと受け止め、寄り添った言葉をかけてほしいといいました。
スキンシップができるうちは抱きしめたりマッサージをしたりと、温かい手を通じて愛情とパワーを伝える。注意する時は、強い調子や大きい声は逆効果。穏やかに言い聞かせれば伝わるといいます。
HSCは、大人が何を求めているかを察知して、手のかからない良い子になりがち。「ぜひ『ありのままを出していいよ』と伝えてあげてください。安心できるよりどころを家庭でも学校でもしっかりと持つことで、その子が本来持っている深く感じ、考えるという素晴らしい特性を発揮して生きていけます」

百瀬さんは、不登校になる子どもの中にHSCと思われる子が多くいると指摘。「家庭でも学校でも適切な働きかけを共有することができたら、HSCへの配慮はもちろん、全ての子にとって安心できる環境につながるのでは」と言います。
登校渋りは、心身の疲労から身を守るために起きる。昼夜逆転、乱れた生活リズム、暴言…出口が見えないように思えて親も子も傷つき苦しむといいます。
そんなとき、「どうせ駄目だと思っていた」「○○ができないなら△△は無しだよ」という否定的な言葉や脅しを使うと、立ち上がろうとする勇気をくじいてしまう。日常生活で少しでも前向きな変化があったら、親は見逃さないでほしいといい、「永遠に引きこもっている子はおらず、いつか力を付けて自分の人生を歩いていきます。もがきながらも希望の光は絶えず持っていてください」と温かく呼びかけました。

【HSC/HSP】 Highly Sensitive Child/Person。米国の心理学者エレイン・N・アーロン博士が1996年に提唱した概念。物事を深く考える、聴覚や触覚などの感覚が鋭敏、人の気持ちによく気が付く|といった特性を持つがゆえに、日常生活でつらいことやつまずきが出てくる。親の育て方や環境、性別、人種などには関係なく、生涯その特性は変わらない場合が多い。病気や障がいではない。全人口の約5人に1人いるという。

【かない・かつこ】 海外での経験を生かし、翻訳・通訳、英会話講師、グローバルビジネスコンサルタントとして活動。小学1年から始まった息子(高校2年)の不登校と向き合い、HSCを学んでいく中で自身もHSPと気付く。「正しい知識を学んで周囲に伝え、理解を広めたい」と、HSCアドバイザー(エキスパート)の資格を取得。
【ももせ・けいこ】 小学校教諭を経て不登校の児童・生徒らを持つ保護者の集まり「モモの会」を設立。代表として多くの親子の相談に乗り、悩みに寄り添っている。