【ガンズリポート】マッチレビュー 21節・14日山雅2-0FC大阪

浅川コストかけ2得点

松本山雅FCの白星が4試合ぶりなら、FW浅川隼人のゴールも4試合ぶりだった。17節の沼津戦に続く2得点で、今季リーグ通算は10得点と2桁に乗せた。エースが決めた試合は4勝2分け1敗。チームの調子のバロメーターでもある29歳は「20点以上を目指す」と意気込む。

最短距離狙うために「20点以上目指す」

浅川は効率よくゴールを奪う。
リーグ出場はけがによる離脱があり16試合。得点ランク10位以内の選手で最少の試合数で、トップと1差の点数を積み上げた。
シュートの手数も少ない。この日の1点目は、DF樋口大輝のシュート性のパスに右足を当てた。2点目は、縦パスでGKと1対1になり、シュートフェイントでかわし、最初のキックで決めた。
「ワンタッチ」は浅川らしいゴールだ。PKを除く9点中8点を占め、昨季は同15点中14点だった。「コンマ何秒の世界。ゴールへの最短距離を狙って準備している」と自負を語る。
相応のコストが背景にある。相手選手と駆け引きの末のポジション取り、味方と練習の末の連係…。個人とチームの調子があいまって“瞬間芸”のゴールが生まれる。
数字に表れないコストは、守備でもかけている。この日は、湿度70%ほどと蒸し暑さの中でフル出場し、最後まで自陣深くの競り合いに顔を出した。
「ハードワークは当たり前。そういう姿勢を求められ、全員が応えられたからこそのクリーンシート(無失点)。それができるチームをさらに目指したい」。惜しまぬ運動量が、エースとチームを躍進させる。