持続可能な循環型社会にしなければ-と、いわれて久しいです。発電などのインフラや、社会構造などについては頻繁に語られますが、身近に目を向ければ一人一人ができることが多くあります。
例えば「もったいない運動」という言葉に集約される3R(リデュース、リユース、リサイクル)は、実は日本の古くからの美徳です。私が関わるNPO法人が「お下がり会」を開くと、小さな会場に200人以上が集まる盛況ぶりです。
コロナ禍で、人々の生活は分断を余儀なくされました。地域や職場、学校などでも中止になった行事は少なくないでしょう。中でも、私が残念に思うのは、学校単位のバザーがなくなったことです。そこには、不要不急なものを各家庭から持ち寄り、地域の人とシェアする文化が存在したからです。
と、思っていたら、バザーの復活ではないですが、同じような学校の恒例行事「文化祭」に目を付けた若者がいました。塩尻市社会福祉協議会の新人職員・西牧侑真さん(23)です。西牧さんは、同市内の高校の福祉サークルと連携、在校生や近隣の家庭からフードドライブ用に食材などを集め、文化祭で人道支援団体などに分けるというのです。
日本もまだまだ捨てたものではありません。お下がり会で中学校の制服や体操服に困っている親御さんが多いと知り、着なくなったものを集めてほしいと、西牧さんにお願いしたところです。
この活動は、今月から丘中学校で実証実験が始まった、不要の制服、体操服をコンテナに入れてもらい、お下がり会などで必要な人に譲る「お下がりコンテナ」の延長です。改めて「もったいない精神」が循環型社会への近道だと思いました。
同市の吉田東公民館駐車場で既に行われているフードドライブ「きのうのパン屋」でも回収しています。どこの中学校の服でも大丈夫ですよ。