こんな読み方なの?由来を聞いてなるほど─。信州の各地を訪れ、気になる地名や人名の由来などを探る『信州おなまえ旅』が、信濃毎日新聞社から出版された。山や川、神社仏閣から企業名まで、「名前」の情報が満載だ。
編著者は、長野県のニッチ(すきま)な観光情報を紹介するウェブメディア「Sukima(スキマ)信州」の編集長・山本麻綾(信州さーもん)さん。
同メディアは2018年に発足し、県内外の信州好きライターたちが記事を約千本配信している。今回はウェブで連載中の「地名の謎シリーズ」をきっかけに出版の話があり、2年かけて書き上げた。山本さんは「元々ウェブにちょこちょこと書いていたことの事実確認や検証に時間がかかった」と振り返る。
出だしは「なぜ長野県は『信州』と呼ばれるか」でシナノの由来をおさらいし、鬼無里、姨捨といった地名の“巡礼”。県内に多い名字は1位がダントツで小林、以下は田中、中村、丸山…と続く。信州産の名字では、大日方は大町市八坂大日方が、等々力は安曇野市穂高等々力がルーツ。百瀬は全国の百瀬の6割弱が松本をはじめ県内にいるという。締めくくりは、信州人にとってなじみの深い県歌「信濃の国」の誕生秘話だ。
難読地名クイズも初級から上級まで計240カ所を掲載した。
書籍化に当たり「ニッチな地名や個人的に訪れる所などを旅と絡めて取り上げ、既に出版されている地名に関する本とは違った内容を心がけた」と山本さん。「ウェブの方が若い人たちに見てもらっているが、本にすると幅広い層に手に取ってもらえるのではないか」と期待している。
四六判、214ページ。1870円。信毎出版部℡026・236・3377
各地の地名・人名などの“不思議”を探る「信州おなまえ旅」出版
- 2024/08/03
- カルチャー