松本のモータースポーツ文化継承願う
サーキットを猛スピードで走って競う自動車レース。憧れとともに「敷居が高い」イメージもある。「じいさんがまだ走っている。若い人も一緒にやろうよ」と呼びかけるのは、40年近いレース歴があり、17日に約4年ぶりのレースに参戦する松本市寿小赤の会社員、花村正さん64歳だ。モータースポーツ文化の継承も願って走る。
花村さんが出場するのは富士スピードウェイ(静岡県)で開かれる富士チャンピオンレース第3戦の「VITA(ヴィータ)クラス」。「VITA|01」という専用のレーシングカーを使う。エンジンは排気量1500cc、約110馬力だが、車両重量が600キロ程度と軽いため運動性能が高く、最高速度は時速200キロ以上に達するという。
花村さんは同クラスに2018年から挑戦し、19年までに8戦出場。7戦は完走した。
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子どもの頃から車好きだった花村さん。テスト用紙に車の絵を描いて提出し、先生から怒られたこともある。
信州工業高校(現東京都市大塩尻高校)から中日本自動車短期大(岐阜県)に進学。卒業後は地元に戻り、自動車ディーラーに就職、営業を担当した。
27歳の時、「自然の流れ」で自動車レースに挑戦。以後、多い時で年間8戦に出場するなど、仕事とレースの生活になった。
「チェッカー(ゴールした時に振る旗)を受ける充実感は、何物にも代え難い」とレースの魅力を語る。「家族は応援してくれなくてもいいが、理解はしてほしいし、してくれている」と笑顔を見せる。
「生涯現役」を目指す花村さんも、「そろそろシートを譲ってもいい」と考える。真意は、自身がともした松本のモータースポーツ文化の光を、後世につなぎたいからだ。
「今ならいろいろな面で支援できる。女子だけで競うレースもあるので、若い女性が希望してくれたら最高」
希望者は花村さんファクス0263・58・0861