好きなこと興味があることが少数派だと、学校のクラスの中では共通の趣味を持つ人が見つからず寂しい思いをすることも少なくありません。成長するに従い、住む世界が広がるに連れて共通する興味・趣味の人に出会える可能性も増えてきます。でも、子どもの「今」、気の合う友達に出会いたいという気持ちもあるのです。
今の時代は、ネットの世界・SNSに目を向けると、相当珍しい趣味でも、同じように楽しんでいる人が見つかることもあります。とはいえ、子どもがオンライン上で友達をつくることに、保護者としては不安を感じることも多いでしょう。家庭ごとに考え方は異なると思いますが、今回は一つの事例を紹介します。
小4のA君は、力士が付けている「化粧まわし」が好きで、とても詳しいのです。相撲自体に興味はなく、あくまでも「化粧まわし」が好きです。クラスに普通の会話をする友達がいないわけではないけれど、正直あまり気が合う子はいません。
ある日「化粧まわしマニア小学生」でSNS検索したら、世の中に似た趣味の子どもがたくさんいることが分かりました。保護者のアカウントで化粧まわし関連のSNSをチェックしていたところ、化粧まわしの展示会が近県で催されていることを知りました。家族で行ってみたところ、他にも家族連れ小学生を発見し、思い切って声をかけたらすっかり意気投合したのです。
二人で化粧まわしトークをさく裂させ「こんなに気が合うなんて、もしかして僕たち前世で兄弟だったのでは!?」と言って別れを惜しむほど。それぞれの居住地は遠かったので、連絡先を交換し保護者同士も話し合った上で、メッセージアプリでやりとりしたり、毎週日曜日にビデオ通話アプリで化粧まわしトークをするようになりました。
オンラインの付き合いは子どものうちは、保護者の管理下で約束事をあらかじめ決めておく必要がありますが、世界を広げるとマニアックな趣味でも友達を見つけられるかもしれません。共通する趣味がある友達に出会えると、お子さんの世界は大きく広がります。
【なないろキッズ】 #99 世界にいる趣味友達
- 2024/08/22
- 小児科医・新美妙美のなないろキッズ