安曇野をモルックの街に 「AZUMI GATTARO」世界大会出場

モルックってどんなスポーツ?
「モルック」と呼ばれる木の棒を投げて、数字が書かれた木製のピン「スキットル」を倒し、50点ぴったりになれば勝ちというルールだ。運動能力にあまり左右されず、老若男女誰でも気軽に楽しめるという。
安曇野市を拠点に競技人口を増やし、地元に根付かせようと活動するグループ「モルック安曇野」が「AZUMI GATTARO(アズミ ガッタロー)」というチームをつくり、8月23~25日に北海道で開かれる「2024モルック世界大会in函館」に出場する。
世界大会での活躍が、競技を広める大きな一歩になると期待が膨らむ。4月に発足したばかりだが、「世界一を狙う」と意欲的だ。メンバーは仕事の後や休日を使い、練習に汗を流している。

モルックは、フィンランドのカレリア地方に伝わる伝統的な投てき競技「キイッカ」というゲームをもとに、1996年にLahden Paikka社(当時はTuoterengas社)によって開発されたスポーツという。木の棒(モルック)を投げて12本の木製のピン(スキットル)を倒し、本数やピンに書かれた数で得点し、50点を目指す。
「AZUMI GATTARO」のメンバーは、モルック安曇野の辻谷洋一代表(46、安曇野市穂高)、和田洋次さん(44、同)、川上圭二さん(42、松本市波田)、井上麗美さん(46、安曇野市豊科)、矢口泰央さん(44、松川村)、三沢伸二さん(60、同市穂高有明)、田島祐介さん(29、同市豊科南穂高)。性別や年齢、職業、住んでいる場所もそれぞれ異なる。
当初は遊びで取り組んでいたというが、世界大会があることを知り一念発起。今年4月、モルック安曇野を発足させた。抽選で1度は落選したが、諦めずもう一度エントリーし、出場権を手にした。23~25日のモルック世界大会in函館には、15カ国から約670チーム(1チーム4~6人)、約3300人が参加予定だ。6~7チームで96組に分かれて予選リーグをし、各組上位2チームが決勝トーナメントに、3~5位がフレンドリートーナメントに出場できる。
国内のモルックの競技人口は約165万人で、増えているという。辻谷代表は、その魅力を「簡単にでき、戦略性がある」と説明する。外に出て体を動かしたり、50点になるように工夫したり、相手が50点にならないよう邪魔したり-など、心身の健康増進に役立つ。

高齢者のゲートボール人気がマレットゴルフに移り、使われないコートが増えたが、モルックで有効利用できる。「コートは6メートル×10メートルあればいい。校庭やゲートボール場といった地面だけでなく、高架下や土、芝、人工芝、コンクリートの上でもOK」と辻谷代表。木製のモルックやスキットルは松枯れの被害木や間伐材を活用でき、環境問題の解決にも一役買いそうだ。
モルック安曇野の目標は「世界大会1位」だが、大会をステップに「安曇野をモルックの街」にすることが、その先の大きな目標だという。モルックを通して安曇野を発信することで、魅力が伝わり、移住者増につながるのでは-という期待がある。
「(世界大会は)楽しみながら頑張る。いろいろな人と交流できるのが楽しみ」と辻谷代表。「オリンピック、パラリンピックの種目になればいい」と夢は広がる。
チームは、学校などでの普及にも携わりたいという。問い合わせはインスタグラムから。