未就園児の親子向け施設「ぱおぱおのおうち」 安心して子育てできる場所

安曇野市のJR大糸線一日市場駅から徒歩3分の住宅街に、未就園児の親子向け施設「ぱおぱおのおうち」があります。利用者は居住地を問わず、好きな時に来て自由に過ごせます。幼い子と自宅にこもりがちなママのために、居心地の良い空間を提供しています。

赤ちゃんと親 くつろぐ空間

★第二の居間に
光が差し込む明るいフロア、芝生の緑が美しい庭。建物は木造平屋で、子どもが昼寝できる和室やキッチン、ゆとりのある親子トイレなど過ごしやすい工夫が随所に見られます。用意されているシートを敷けば、フロアで飲食も可能。床暖房もあるので冬も心地よく過ごせます。
運営するのはNPO法人「子育て支援ぱおぱお」。基本は会員制ですが、里帰り中やお試しなどに便利な月会員も用意しています。子育て経験のあるスタッフが1、2人常駐し、「地域住民や無償ボランティアに支えられながら、おしゃべりして、のんびりして、ほっとして、元気になって自分の家の居間へ戻る。そんなおうちです」。
同市のファミリーサポートセンター事業で子どもを預かる「協力会員」を長年務めてきた理事長の小口茂子さん(88)が2005年、「小さい赤ちゃんと親が集まれる場所がない。子育てするお母さんたちの居場所を」と仲間と共に設立しました。
当初は建物を借りるつもりで探しましたが、理想の物件になかなか出合えません。悩んでいたときに夫の故吉宏さんが「うちの土地を使えば」と提案。夫婦が営んできた自動車整備工場の跡地を活動の場に決め、建築費用も小口さん夫妻が負担しました。

★パッションとミッション
「秘密を守りながら、安心して子育てができる場所をつくる」。当初から変わらない情熱とモットーです。
副理事長の濵弘美さん(49)は元利用者で、子育てが落ち着いた3年ほど前からスタッフとして運営に関わります。「どの子もとてもかわいい。くつろいだり、ママ同士の会話を楽しんだりしてほしいです」
利用するのはハイハイする子から、歩いたり走ったりする子までさまざま。「年上の子や自分と異なる子を見ることで、互いに良い刺激を受けます。お母さんたちは子どもを連れてどんどん来てほしいです」と小口さん。
生後5カ月からほぼ毎日通っているという2歳の百瀬優生(ゆうせい)ちゃん(三郷明盛)は、庭で遊ぶのが大好き。母親は「一緒に遊んでくれるスタッフや他の親子がいて子どもも楽しそう。ここが大好きです」。
小口さんは「お母さんたちは、いくつになってもわが子をしっかり抱きしめてあげてほしい。肌のぬくもりは一生忘れない大切な宝物になります」。

★毎月のイベント
ぱおぱおでは月に4、5回、季節に合わせた親子で楽しめる工作や体操などのイベントを開いています。取材に訪れた日は、舟橋嘉奈子さんが講師を務める「リラックスヨガ」を開催。子連れで参加できると好評です。
9月9日は白玉団子作りと運動会を予定しています(材料費100円)。

【NPO法人子育て支援ぱおぱお】安曇野市三郷明盛1363-1。開館は月~金曜午前9時半~午後0時半(祝日休み。GW・春・夏・冬に休みあり)。年会費は親子利用3000円(正会員)、1カ月500円(月会員)、スタッフ会員1000円。賛助会費1口1000円。見学自由、体験は1回無料(無料開放日あり)。場所貸しもしている。詳細はホームページ。TEL0263・77・1180