県内での更なる普及に期待
「賭けない、飲まない、吸わない」がモットーの健康マージャン。その全日本選手権(7月21日、静岡市)の団体戦で、松本市のサークル「縁ジョイ」所属の20代4人でつくるチーム「長野県霧ケ峰」が3位になった。県代表の銅メダル以上は、個人戦を含めて初めて。マージャンをオンラインで楽しむ世代が、全国のつわものと卓を囲むリアルな大会で偉業を達成した。
1位と点差わずか悔しさも
メンバーは伊藤航大さん(29、松本市井川城)、滝澤光明さん(29、同市里山辺)、武居祐太さん(20、塩尻市大門)、岩下大雅さん(26、辰野町)。武居さんは松本大の3年生、ほかの3人は会社員だ。
全日本選手権の団体戦は、18都府県と1高校の計36(うち長野県は2)チームがエントリー。155人が出場した個人戦(4回戦)での4人の得点の合計をチームの得点とし、長野県霧ケ峰は62万点を獲得した。1位の富山県立山チームとは6700点の僅差で、「誰か1人が満貫を1回多く上がっていたら、逆転できたのに」と苦笑い。
個人戦で12位と4人のうち最上位だった岩下さんは、1回戦はトップを取ったが、2回戦は最下位に沈んだ。「自身の成績よりチームのため」と臨んだ3、4回戦で連続でトップを取って巻き返した。
同じく14位の伊藤さんは1、2回戦でトップに。「個人戦で優勝できるかも」と、意気込んで3、4回戦に臨んだが、2位と3位に終わった。それでも「マージャンというゲームで成績を残し、表彰されたのがうれしい」と悔いはない。
42位の滝澤さんは、県代表8人を決めた県予選を8位で通過。「足を引っ張らないように」との思いでいたが、1位を2回取るなどしてチームに貢献した。最年少の武居さんは96位で「会場の雰囲気にのまれ、自分のマージャンができなかった。悔しい」と唇をかんだ。
実際に卓囲む楽しさ求めて
4人がマージャンを始めたのは、社会人になってからという滝澤さん以外は高校生の頃。それぞれオンライン対戦ゲームから親しみ、「卓を囲む本物のマージャンの楽しさ」を求めてサークルに参加している。
今は仕事や子育て、学業などそれぞれの事情で、実際にマージャンをするのは月に数回というが、その魅力を「運と実力がバランスよく試されるゲーム」と語る伊藤さんの言葉に、ほかの3人も大きくうなずく。
縁ジョイを主宰する岡田和彦さん(63)は「信州のチームが結果を出してくれた。これをきっかけに、県内で健康マージャンがさらに広まれば」と期待している。