風景画と手編み帽子 9月3日まで松本の山本さん初の夫婦展

松本市岡田下岡田の画家・山本一輝さん(29)と、妻でMWN(まうん)の名で活動するクラフト作家・有砂さん(32)は9月3日まで、初めての夫婦展を安曇野市穂高有明のカフェギャラリー安曇野縁縁で開いている。岩絵の具や墨、水彩絵の具など多彩な画材を組み合わせた風景画と、編み物に海の石を添えた帽子が並ぶ。
一輝さんは京都の大学で日本画を習得。異なる素材や技法を使用するミクストメディアの作品を制作している。会場には「上高地」「苔(こけ)むした樹根」などが並ぶ。
「雨の日」は、梅雨時の美ケ原の風景に、かつて訪れた京都・比叡山のシーンなどを重ねた。墨を8層に重ねて木の濃淡を表し、スズ粉を膠(にかわ)で定着させてぼかしを表現。「主役は自然。そのエネルギーや空気感を伝える役割ができれば」
岐阜県出身の有砂さんは2022年、結婚を機に松本へ。その後、新潟県糸魚川市の海岸で丸く削られた石に魅せられ、海岸の小石を使ったアクセサリー作りを始めた。
今回は、ペーパーヤーン(紙製のより糸)で手編みした帽子など3種。その一つ「寒暑ぼうし」は、昨夏、熱中症になった経験から生み出した。UVコットンの糸で編んだベレー帽だが、一部にファスナーを付け、中に保冷剤が入れられる。「冬は布などを入れて寒さ対策に。作品名の『ぼうし』は防止の意味もある」と笑う。頭頂部には小石が付いている。
午前9時~午後5時(最終日は4時)。水~金曜定休。同店℡090・1545・1787