松川村の主婦田原富美子さん(70)が8月23日、環境省が特定外来生物に指定する中国原産のチョウ「アカボシゴマダラ」を朝日村古見で見つけ、写真と動画を撮影した。
実家の庭の草刈りをしていた午後2時54分、そばに置いてあったレモンスカッシュのペットボトルに止まり、垂れた液体をのんでいるアカボシゴマダラを、一緒に作業していた夫忠己さん(71)が発見。チョウは家の中に出入りした後、縁側で休憩していた忠己さんのシャツに止まって汗を吸い始め、そこを富美子さんが500ミリの望遠レンズで捉えた。
羽に並んだ赤い斑紋が特徴で、幼虫は在来種のオオムラサキやゴマダラチョウと同じエノキの葉を食べるため競合が懸念されている。内容を確認した飯田市美術博物館の生物担当学芸員、四方圭一郎さん(53)によると、県内では軽井沢町で2014年8月に初めてアカボシゴマダラが見つかり、現在では各地で見られるという。成虫は花には来ず、樹液や熟した果実などで採餌するとし、「チョウの多くはミネラル補給のため、汗や湿った地面から吸水を行う」。
4年前に埼玉県でアカボシゴマダラを何日間も観察したという富美子さんは「飛ぶ姿は格好良いが、悲しいかな駆除対象。今後も身近な自然に関心を寄せていきたい」と話した。