深志神社の鳥居解体 計画早めて2年後の改築へ

笠木は使用柱など新しく

松本市の深志神社(深志3)で8月26日、柱の傷みが進んだため改築する木造鳥居の解体作業が行われた。改築は2027(令和9)年7月に行う「天満宮御正忌(ごしょうき)1125年祭」の記念事業。同事業の実行委員会は25日、神社のシンボルである鳥居の不在期間を短くしたいと、改築時期を当初計画より1年早め26年5~6月ころにすることを決めた。
作業は鳥居の額束にかけられた「深志神社」の社号額を取り外した後、柱の上部を切断し、左右に渡した笠(かさ)木・島木と、その下の貫(ぬき)を下ろした。担当する大澤建築店(笹賀)の大澤伸章社長(50)は「表面の塗装を削って中の状態を確認したい」。
同店に運んで調べたところ、笠木は状態が良いことが分かり、牟(む)禮(れ)仁宮司(75)は「この笠木を引き続き使用したい」との考えを示した。
笠木と柱を接続するほぞに、鳥居の建て替えの記録が残されていた。元禄10(1697)年、明和6(1769)年に建て替えを実施し、その後は嘉永3(1850)年だった。牟禮宮司によると、この年に行われた「天満宮御正忌950年祭」を記念し、鳥居全体を新築したとみられる。
122年たった昭和47(1972)年、笠木はそのまま使い建て替えが行われた。今回の改築は昭和の時と同様、従来の笠木を用いながら柱などを新しくする工事になる。