知恵と技術生かして
手作りで高級品のイメージがある、ヤマブドウの籠。雑貨や焼き芋などを扱う「あづみ野バザール穗髙神社店」(安曇野市穂高)は、ヤマブドウの飾り細工のストラップを発売した。根付けやバッグのチャームとしても使える。店主の寺井篤樹さん(78)は「信州安曇野のお土産の一つになれば」と期待する。
バラやダリアの花のようだったり、風車のようだったり。違う編み方のものを組み合わせると「デザインは無限にある」と寺井さん。トンボ玉も取り入れ、おしゃれに仕上げている。
趣があり、使えば使うほど色が濃くなる。扱い方次第で一つ一つ異なる色の変化を見せるのが、ヤマブドウの魅力だ。「育ててもらえばうれしい。全て穗髙神社で祈念してもらってあるので、お守りにもなるはず」と、寺井さんは話す。
ヤマブドウ細工は、天然素材のヤマブドウの枝から、つるを取り除く作業からスタートする。乾燥させてひごを作って編む。全て手作業で、完成までには多くの時間や手間がかかる。古来の知恵や技術を凝縮した製品と言えそうだ。
同店の本店、あずみ野バザール若松屋(同)では以前から籠を扱っていて、その魅力を広めてきた。「長く伝わってきた職人の技、製品の魅力を後世に伝える」ことを目的に、手段を模索。手に取りやすく、現代のニーズにも合うストラップを販売することにした。籠を編む際に残るつるを活用して作ったといい、SDGs(持続可能な開発目標)にもつながる。
バッグや財布に付けるなど、用途はさまざま。自分用だけでなく、家族や友人にプレゼントしても喜ばれそうだ。寺井さんは「ペンダントトップなどアクセサリーも考えたい。多くの人に、ヤマブドウ製品を知ってもらうきっかけにしたい」と意気込む。
2千~4千円。同店は午前10時~午後5時。無休。TEL090・9008・6986