白馬村神城に、築200年ほどという古民家を改修したギャラリー「Kirria Japonica(キリア ジャポニカ)」がオープンした。照明の調整や壁面の使い方の自由度を高め、作家の表現により近い展示が可能。こけら落としとして9月8日まで、池田町の山岳写真家で県自然保護レンジャーの増村多賀司(たかし)さん(60)の写真展が開かれている。
ギャラリーの代表は写真家の金敬源(キンギョンウォン)さん(62、安曇野市穂高有明)。建物のたたずまいが気に入って購入し、ゲストハウスを開く計画だったが、コロナ禍で断念。ギャラリーへの活用を思いつき、昨春から改修して8月20日に開廊した。名称はヤマブキの学名に由来する。
展示室にした場所は、部屋により天井の高さが異なったり、かなり低い場所があったりし、スポットライトを設置する位置に苦労したという。明るさや色温度が作家の好みで変えられるLEDタイプを採用し、作品を引き立てる。
また展示壁は指定のサイズまでのくぎを打てるようにし、「さっぱりして作品の見栄えがよく、自由度も高い」と金さん。古民家の趣と作品を同時に楽しめる。
増村さんの写真展は「星と、水めぐる山Ⅲ」。白馬村や小谷村の山々や自然、生き物、植物、星空などを写した四季折々の56点を展示した。
増村さんは「何より写真が映え、生きる」とギャラリーを評価。金さんは「地元の子どもたちの来場もあり、うれしい。写真を中心に作品を通じて地域の美しさなどを発信し、集う人が情報交換できる場にもしたい」。
午前10時~午後6時。月曜休み。作品を展示する作家を募集中。詳細は=ホームページ=から。