老朽化で解体 豊科武道館・剣道場別れ惜しみ最後の稽古 豊科剣道スポーツ少年団感謝の清掃

安曇野市の豊科剣道スポーツ少年団は8月31日、老朽化で9月から解体工事が始まる市豊科武道館・剣道場で最後の稽古と感謝の清掃を行った。同団が長年、稽古場として使用し、多くの剣士の汗が染み込んだ場所。子どもたちは別れを惜しみながら、力強く竹刀を振った。
剣道場は、旧豊科中学校の前身・豊穂中学校の体育館として1954年に開館。鉄骨平屋建てで広さ約890平方メートル。この日が最後の供用で、団員らは午後6時ごろから稽古を始め、最後に雑巾がけをした。
豊科北中学校2年の川上康大さん(14)は、入団6年目で初段の腕前。道場の端から端まで使う「追い込み稽古」が印象に残っているとし、「楽しい思い出も、つらい思い出も詰まっている」と寂しそう。
同団の内田瑛代表(32)は、豊科東小学校4年時に剣道を始めた当時も、稽古場はこの道場だったといい、「20年以上使わせてもらったので、なくなるのは寂しい」とし、「こんなに広い道場は他にないのでは。思い切り稽古できた一方、きつかった」と振り返った。
同団は稽古場を昨年からANCアリーナ(市総合体育館)内の柔剣道場に移しており、この日は特別に豊科武道館を借りた。同館・柔道場は来春から改修工事をして存続する。