守備に重点も結果に差
松本山雅FCは首位の大宮アルディージャに惜敗した。これでリーグ後半戦は連勝の機会を3度とも逃し、上位との差を詰められない。次戦も自動昇格圏内の2位FC今治との直接対戦。霜田正浩監督は「(勝ち点6相当の)6ポイントマッチだと思って準備する」と覚悟を語った。
ゼロに抑え勝ちきる堅い守備取り戻せるか
首位との一戦で攻撃は互角だった。シュート数こそ1本少ない9本だったが、CKやFKは大きく上回った。
ただ霜田監督が勝負のポイントに挙げたのは守備。「最後の宮部(大己)のシュートを(大宮は)クリアし、僕らはかき出せなかった」と振り返った。
大宮のクリアはDF村上陽介だった。自分の背後に流れたボールからのダイレクトボレーだったが、「(ボールを目で追うのではなく)体の向きを変える意識は練習で身に付いている」。素早く正対し頭ではじいた。
大宮はこれで6試合連続無失点。「去年あれだけ失点(J2で42戦71失点)して降格したので(今季は)守備への統一した意識を持っている」と村上。
昨季J3で47失点(38戦)の山雅も、今季始動時に霜田監督が「とにかく失点を減らす」ことを目標に掲げた。だが、27節が終わった時点で比べると、1点しか減っていない。
前節、岐阜に1-0で勝った後、MF米原秀亮はJ1だった2019年の加入時を振り返り、「ゼロに抑えて勝つのが、山雅がやってきたことかも」と話した。「1点を守り抜くというこだわりが、みんな本当に強かった」
その「こだわり」を、目の前で相手に見せつけられたことを糧にできるか。今治はここまで27失点、直近2戦は無失点だ。