帰郷して就職 国スポ出場に挑む
松本市のソフトテニス選手・村田美波さん(23、里山辺)は大学を卒業した今春、7年ぶりに地元に戻り医院に就職し、医療事務の仕事をしながら競技を続けている。8月には国民スポーツ大会(国スポ)を目指す成年女子県代表チームに中信地区からただ一人選ばれ、予選の北信越国スポに出場した。今後も働きながら全国レベルの大会を目指す。
広島の強豪高校でプレー
4人姉妹の三女で、3歳上の次姉の影響で小学6年時に競技を始めた。山辺中学3年時に県大会の個人戦で優勝。「もっと強くなりたい」と、23年連続で全国優勝したこともある広島県の広島翔洋高校(旧広島女子商高)に進んだ。2年時と3年時に個人戦で全国総体(インターハイ)に出場し、3年時はベスト16の成績を残した。
「高校でやりきった感があった」という競技だが、進学した東京経済大でも続けた。1、2年時はコロナ禍で活動がままならなかったが、3、4年時は全日本学生選手権(インカレ)に出場。3年時は長野県代表として国体(現国スポ)予選の北信越国体にも出場した。
目指す道へ職場も応援
「高校から家を出たので地元に帰りたい」と就職活動を始めた頃、国体に同行する機会を得た。競技が業務でもある実業団選手が強さを見せる一方、仕事と関係なく趣味で競技を続ける選手が勝ち進むのが「格好よかった」。目指す道が決まった。
競技を続けられる環境を―と、就職先を探していた時、松本市ソフトテニス協会副会長の小見山祐一さん(57)(※)が院長を務める小見山医院(岡田松岡)を紹介され、採用試験を受けて就職が決まった。昨年10月からアルバイトし、卒業後の今春、正規の職員に。
就職後は、松本市協会が週に1度、夜に開く中・上級者向けの練習会と、県連盟の強化練習に参加。医院は土曜も診療しているが、大会出場のため休みを取ることもある。同じ競技のプレーヤーでもある小見山院長は「進学して県外へ出ると、戻って来る選手は少ない。長野県にとって貴重な戦力」と応援する。
アマチュアで長く競技を
5県が総当たりした北信越国スポで、成年女子県代表は4位(1勝3敗)に終わり、2位までが出場する本大会の切符を逃した。実業団がない県で国スポを目指すのに、同世代の同じレベルの選手が少なく、ペアを組む相手が一定しないなどの苦労もある。
それでも「ソフトテニスを仕事にしたくない」と村田さん。全国レベルの舞台に挑み続ける気概を持ち続けながら、アマチュアとして長くプレーするつもりだ。
(※)祐一さんの「」祐は「示ヘンに右」