史上最多の12劇団49公演 来月11~13日「まつもと演劇祭」

松本市内の劇場に全国各地の地域劇団が集い公演する「第27回まつもと演劇祭」は10月11~13日、市街地の6会場で開く。今回は劇団数12、公演数49と共に史上最多。さまざまなジャンルの全12作品をチケット1枚で見られる演劇三昧の3日間だ。地元の5団体と、北海道など他地域の7団体が参加。会場は上土劇場、上土シネマ、ふれあいホール、下馬出しホール、信濃ギャラリー(以上大手4)、松本城大手門枡形跡広場(大手3)。大正時代の景観が残る上土通りかいわいの会場では建物のレトロな雰囲気が楽しめ、枡形跡広場では野外劇を無料で見られる。
上演は各1時間で、枡形跡広場以外の会場は劇団が入れ替わる。
また、12日午後1~2時は上土劇場で劇団代表者らによる「より演劇祭が楽しめる」シンポジウム、19、20日は連携企画として四賀地区のヴィオ・パーク劇場(刈谷原町)で音楽とパフォーマンスのイベント「トーチカ!」も行う。
永高英雄副実行委員長(61、笹賀)は「好きな作品を探したり、驚いたり感動したり、いろんな体験をして舞台芸術を見る入り口にしてほしい」と話す。

演劇祭の魅力など永高副実行委員長に聞く

毎回延べ2千人前後の観客が訪れる演劇祭だが、まだ見たことがない人も多い。アマチュアとプロの違い、演劇祭の楽しみ方などについてアマチュア劇団や俳優でつくる「まつもと演劇連合会」会長の永高副実行委員長に聞いた。

―プロとアマチュアの違いは?
線引きは難しいが、演劇だけで食べている人を「プロ」とするなら、舞台俳優の多くがアルバイトをしているので実際には変わらないと思う。
違うのはお金の面。大きな劇場を使い、照明、音響、制作などの業者が入ればチケットが高額になり、集客できる俳優やスポンサーへの配慮も必要になる。そういった足かせの中で利益をあげるのがプロだと思う。

―アマチュア演劇の魅力は?
プロのような足かせがない分、自由な表現にチャレンジできること。それは演劇活動本来の姿勢で、作品には作り手の思いがストレートに表れていると思う。
また、営利目的ではないので安価で見られる。演劇祭では、舞台芸術を見たり劇場に入ったりしたことがない人が、少しでも抵抗感なく来られるよう格安の料金設定にしている。

―アマチュア演劇の見方は?
近所に住んでいる人など、知っている人が舞台の上で別人になっているのを見てびっくりしたり、「あの人、こんなことやっているんだ」と刺激を受けたりと、いろんな「体験」をするのも面白い見方だと思う。これが地域のアマチュア演劇最大の魅力かもしれない。
詳細は同演劇祭の公式ウェブサイトで。前売りは一般2千円、学生1500円。当日は一般3千円、学生2千円。「トーチカ!」は2千円(演劇祭チケット持参で500円引き)。問い合わせは事務局℡070・5595・5080