戦後失われたものは―9月29日豊科公民館で「95歳・田中欣一先生、日本を語る」

来年は戦後80年。国内で戦争を体験した人は少なくなった。一方、ウクライナなど世界各地で戦禍が絶えない。そんな中、戦中・戦後を振り返りながら現代の日本の暮らしや平和を考えようという催し「95歳・田中欣一先生、日本を語る」が9月29日午後1時半から、安曇野市豊科公民館で開かれる。
あづみ野寺子屋塾(岡村哲男代表)の主催。民俗・日本思想史家の田中さん(95、白馬村)、歌手の田口たみさん(松川村)、ピアノの中島加恵さん(安曇野市)、岡村さん(同市)が出演する。
田中さんの語りを柱に、歌や映像を盛り込んだ2部構成。第1部は「戦争とはこうなることだ…」で、戦争で散った人々に鎮魂の思いを寄せ、戦中・戦後の暮らしぶりに触れる。第2部は「現代の日本の暮らし・環境・平和について」として戦後、失われ、忘れられてしまったものは何かを考える。
演奏曲は、特攻隊員として出撃し戦死した池田町出身の上原良司が愛した「谷間の灯」、ウクライナ人が作曲した「鶴」など。
田中さんは「戦中・戦後は想像を絶する世界だった。一方、昭和30年代以降は軽佻(けいちょう)浮薄な時代になり、大切なものが失われてきた。日本の良さ、大切なものは何かを考える機会にしたい」と話す。
入場料は一般前売り1800円、当日2千円、高校生以下は主催者招待。チケットは平安堂あづみ野店(安曇野市豊科南穂高)、信毎メディアガーデン(松本市中央2)1階受付で取り扱う。問い合わせは岡村さんTEL090・2481・6999

同日は公民館ロビーで千葉勢子さん(安曇野市穂高)の「仏画展」も開く。入場無料。