「人物の造形美」大切に 塩尻の元教員井出寿一さん初の絵画展

木祖村小木曽の味噌川ダム防災資料館で、塩尻市奈良井の井出寿一さん(63)の絵画展が開かれている。大学で美術を専攻し、県内小中学校の教員を定年退職後、創作活動を再開した自身初の作品展。色鮮やかなアクリルと油彩の17点を展示している。9月29日まで。
20代に描いた「キリンのいる午後」から、今年6月の中信美術展で新人賞を受けた「憩(おも)う」まで、モチーフの人物の造形美を大切にしながら、キャンバスの中でさまざまな色を対比させ、調和を試みた作品が並ぶ。
井出さんは信州大教育学部卒。京都芸術大大学院芸術研究科を通信教育で修了した。現在は通信制の緑誠蘭高校(南木曽町)で美術を教える。福島小学校(木曽町)で定年を迎えた際、自身がこれから絵を描くことを児童らに伝え、「皆も夢を持って進んでほしい」と話したという。
作品展は、その報告も兼ねて開いた。色や背景との関係など、試行錯誤を重ねているという井出さんは「創作を再開し、こんなにも絵が好きだと改めて思った。まだまだ途上だが、その時々で答えを出しながら前に進んでいきたい」と話す。
午前10時~午後4時(最終日は3時)。入場無料。水曜休館。問い合わせは同館TEL0264・24・0171