【中村小太郎・自然派生活】#6 「令和の米騒動」農家として思うこと

令和の米騒動?わが国には政府備蓄米が100万トンあるといわれます。政府発表の2023年の米の作況指数は「101」。古米と新米の端境期ではありますが、スーパーから米が消えた瞬間、ホームセンター店頭に、米国産の米が平積みに並ぶ怪。何とも人為的な感じがしませんか。
米不足は短期的だけではなく、長期的にもありうると、東京大の鈴木宜弘教授は警鐘を鳴らします。原因は「減反政策」という農政の失敗にあると。
鈴木教授の試算では稲作農家の給料は、時給換算すると、たったの10円。これでは農家になりたい人はいません。何とかして農業を「したい職業」にしなければ。
今回の米騒動に便乗して何と2~4割の値上げの動きもありました。断固、反対です。安心安全な食を得ることは、国民の最低限の権利です。私は稲作農家への直接所得保障を提案します。安心して米作りに精を出せる社会。そして誰もが適正価格で主食の米を買える国にしませんか。スイスやフランスでは、所得保障があるので、農家は準公務員です。これなら若者も農業を志してくれます。
さらに鈴木教授の試算では、現在、日本の米の生産量は約700万トンですが、全ての水田を利用すれば、その2倍生産できるとあります。最新の紙マルチのような抑草技術で、除草剤を使わない有機米を輸出できます。健康志向が追い風となり、和食が人気です。高品質のうるち米は世界中で大人気になるはずです。24年1~7月の米輸出量は2万4469トンで、昨年同時期比23%増という報道もあります。1次産業が国を救うかもしれませんね。
塩尻市のふるさと納税の返礼品「自然栽培コシヒカリ小太郎米」=写真=を増産します。それだけではありません。来年は増やした農地で米を仲間と自給自足する「シェア田んぼ」の実証実験を行います。乞うご期待!