学校の枠を飛び越えて街づくりをしよう 9月29日「まつもと未来マルシェ」

「信州の良さを伝えたい」

学校や学年といった枠を飛び越え、松本市の中心市街地をステージに、探究、挑戦、発信しようという取り組み「まつもと未来マルシェ」が9月29日、信毎メディアガーデン(中央2)、松本パルコ(同1)を会場に開かれる。
地域社会と地元の若者が協力し、街づくりをしようというのが核という。パルコや井上本店(深志2)の閉店など、街が変わらざるを得ない今、総合的な学習、探究といった授業に取り組む生徒が、街の課題を捉え、可能性や魅力を発見し、アピールしていく。
今回はファーストステージと位置付け、来年2月に2回目を開く予定。29日以降も冊子を作ったり、動画配信をしたり。「面白いことを見つけてやってみよう!」がモットーだ。午前10時~午後4時。

オリジナル商品 地元企業と開発

29日の「まつもと未来マルシェ」のうち、松本パルコが会場となる「商都まつもと探究マルシェ」のために、松商学園高、エクセラン高美術科、松本蟻ケ崎高書道部、信州大付属中3年C組の4校が、市内の菓子店などと共にオリジナル商品を開発。13日にパルコで打ち合わせと試食会が開かれ、生徒や教員ら約20人が集まった。会場はどんな配置にするか、会計は1カ所でどうか─などを決め、開発した商品を試食した。
松商高は「Matsumotopan」(桐1)と「信州そばパン(仮称)」など4種を作った。信州─は、コッペパンにゆでたそばを挟み、のりとわさびを載せた。ジュレを載せる、ディップで食べる─と、かけそば、つけそばをパンで表現した。
蟻ケ崎高は「信州松本バウムクーヘン工房てまりや」(中央2)と。バウムクーヘンにかける真っ黒のソース「食べる墨汁」は、書道部らしいアイデアだ。エクセラン高は「おやき高峯」(本店・巾上)と「豚キムチチーズ」など。信大付属中は、校内で収穫した梅で作ったコンフィチュール。「Chez(シェ) Momo(モモ)」(大手4)と連携し、レモンのマーマレードを入れるなど工夫した。
松商学園BIT(ビジネス情報技術)部の3年、横山加奈部長(17)は「こういう場を設けてもらい、ようやく商品開発ができた。いろいろな人に信州の良さを伝えたい」と意気込む。

動画で活動発信 イベント今後も

松本平をより魅力的にしようと、地元の大人と若者が手を組み、学び合う「まつもと未来マルシェ」。子どもの居場所づくりなどの活動をする一般社団法人ONE─PARK(城東1)が主催する。県地域発元気づくり支援金活用事業で、実行委員会が運営。若者はスタッフも含めると中学生から大学院生まで100人以上が参加する。
パルコで開く「商都─」の他、ワークショップや科学教室などの「学都まつもと探究マルシェ」、ダンスの発表などの「楽都まつもと未来ステージ」、まつもと未来マルシェオリジナルのリンゴあめなどを販売する「まつもと未来キッチン」(いずれも信毎メディアガーデン)を用意する。
今回のファーストステージをステップに、10月23日には、市立博物館で生徒学生を中心に、大人も参加して「ワールドカフェ」を開く。新しい街づくりを考える予定だ。来年1月末にはファーストステージの様子、独創的なことをやっている学生といった人物紹介、残したい場所・店を盛り込んだ冊子を発行する。
動画チャンネルでは、商品開発の過程、学校での活動を発信するなどし、2月23日のセカンドステージにつなげる。古田俊光実行委員長(53、城西1)は「街とその未来に興味を持ち、やりたいことに挑戦できる。夢を持ちやすい街になれば、いろいろな人が集まる」。アイデアと活動で、松本を輝かせてほしい。