海なし県から世界を目指せ! 小中学生がヨット競技に熱「B&G大町海洋クラブ」

大町市の「B&G大町海洋クラブ」の小中学生が、ヨット競技に励んでいる。同市の木崎湖で、5~9月の主に週末に練習する短期間の活動だが、全国や北信越の大会で健闘する選手も。信州ではなじみが薄く競技人口も少ないが、国内外で活躍するのを目指してかじやセールを操る。

全国や北信越で健闘する選手も

同クラブは海洋スポーツの普及を目指して40年近く前から活動。ジュニアチームは市内外の小学3年生~中学生の33人で、ヨットのほかカヌーやスタンドアップパドルボード(SUP)なども楽しむ。
このうち今季、ヨットのレースに出場したのは9人。8月の「北信越ジュニア選手権大会in射水」(富山県)では、入門艇初心者11人が競ったOP級Bクラスで、原田友喜さん(10、大町北小5年)が優勝した。5月にクラブで体験して「風に乗れて気持ちがいい」と、はまったという。操作の基本や風を捉える力も短期間で身に付け、さらなる上達に意欲的だ。
「クラブ一の熱中度」と、実力を示しているのが砂田昊ノ輔さん(12、大町中1年)。全国中学校選手権(7月、高松市)シーホッパーMRの部で6艇中4位に。順位は6レースの合計ポイントで競い、強豪を抑えてトップでゴールした回もあった。
砂田さんは諏訪湖でも練習。北信越ジュニア大会ではミニシングルハンダー級(出場7艇)で、部活動の地元勢を抑えて優勝した。「練習量や、海と湖の練習環境の違いもあり不利ではあったが、勝ててうれしかった」。パリ五輪で、海がないオーストリアの選手が金メダルを取ったことから、「海なし県の湖から世界で勝つのも夢じゃない」。
中学生で県内唯一の女子選手・小澤仁菜さん(14、大町中2年)は、北信越ジュニア大会で砂田さんに次ぐ2位。全国選手権も2年連続で出場した。カヌーなどと比べて艤装(帆走に必要な準備)や操作で覚えることは多いが、「風があると進むから楽しい」。学校で黒板消しを掃除する際、即時に風を読んで粉が飛んで来ないようにするなど、「常に風に敏感になる」と笑う。
同クラブは北信越ジュニア大会で、参加点と成績で競う「クラブ戦」で7クラブ中1位に。遠藤久会長(64)は「(市教育委員会が開き同クラブが協力する)『少年少女海洋教室』などでの楽しい経験が入会につながり、裾野が広がっているのでは」と見る。
冬場はスキーに取り組む会員も多く、体幹や下半身強化の面で相乗効果も期待される。各選手とも4年後に県内で開かれる国民スポーツ大会出場も視野に入れながら、湖上で成長を遂げている。クラブへの問い合わせはメール(bg.omachi@gmail.com)で。