月1回 高齢者集い音楽やお茶楽しむ 穂高のカフェで「スマイルサロン」

友達つくり楽しむ機会を

安曇野市穂高有明の広域農道沿いにある「カフェ・kissaco(キッサコ)」は月に1度、近隣市町村から20人を超える年配の人たちが集まる「スマイルサロン」を開いている。運営はボランティア参加の12人が担う。参加費は100円(昼食はプラス100円)と安価だ。
午前10時~午後2時の開催で、前半は音楽などの鑑賞時間。たまに茶道の野だてを味わったり、ゲームを楽しんだりもする。落語を得意とする人に「高座」に上がってもらったこともある。
鑑賞が終わると、参加者はポットからお湯を注いでインスタントコーヒーや茶を入れ、菓子を食べながら仲間と歓談する。
9月25日は年に1度のバザーもある。スタッフや常連参加者の気持ちは高まりを見せている。


9月3日、安曇野市穂高有明の「カフェ・キッサコ」店内に「河は呼んでいる」「山小屋の灯」など10曲ほど、生演奏の音楽が流れた。月に1度、同店で開かれる交流イベント「スマイルサロン」。ギターや電子ピアノなどを演奏したのは、地元のボランティア音楽バンド「島ちゃんず」だ。メンバー4人のうち3人が出演した。
この日のサロン参加者は27人。同バンドは映画音楽や抒情歌などを次々に披露し、参加者が声を合わせて歌う場面もあった。バンド代表者、山本定明さん(83、穂高北穂高)は「サロンの参加者もこちらも、互いに長寿の糧になれば」と笑った。

毎月の憩いの場 開催続け53回に

キッサコは、広域農道沿いのスーパーマーケット、ザ・ビッグ穂高店向かいにある。越道男さん(75)と共に同店を営む妻のノリ子さん(76)が、サロンの発案者だ。
2人は2012年、「第2の人生は違う道で」と、新潟県から移住しカフェを開いた。1年ほどたった頃、ノリ子さんは常連客に「年配者が居住地域に限らない場所で友達をつくったり、楽しんだりできる機会を設けたい」と話した。
現在、サロンの活動記録係や広報役を務める小林由美子さん(72、穂高北穂高)と、星野チエさん(74、穂高有明)らがノリ子さんに賛同し、運営スタッフとなった。準備期間を経て19年6月、スタッフ7人で1回目のサロンを開催。一般参加者7人を加えて紙芝居やクイズを楽しみ、歓談して4時間を過ごした。
以来、店の定休日に当たる毎月第1火曜日の午前10時~午後2時の開催を固定。コロナ禍の20年春以外は順調に開催を重ね、9月で53回を数えた。

資金はバザーで 賛同者らが協力

参加費は1人100円。お菓子や紙コップ代、椅子の補充など、さまざまな費用がかかるため、年に1度のバザーを初年から開催している。一般賛同者から衣類や書籍、手作り品などを提供してもらい、1品100円で販売。毎年1万~6万円ほどの利益を生み出し運営費に充ててきた。
現在は運営スタッフも増え、越さん夫妻を含めて12人に。一般参加者が帰った後は毎回、反省と打ち合わせに時間を割く。9月はバザーに向けての話が主。「洋服はサイズごとに並べよう」「提供品のポケットなどに何か入っていないか確認を」など、丁寧に打ち合わせをした。

バザーは9月25日午前9時半~午後2時。提供物品を23日までの午前10時~午後4時、カフェで受け付けている。
スマイルサロンへの参加は申し込み不要。「おおむね65歳以上」がうたい文句だ。参加費100円のほか、昼食(カップラーメン)希望者は別途100円が必要。次回は10月1日。問い合わせはキッサコTEL0263・83・7177