12月1日まで安曇野ちひろ美術館参加型展示 自然テーマ楽しんで 9月29日すずの音ホールで関連イベント

松川村の安曇野ちひろ美術館で12月1日まで、展覧会「いわさきちひろぼつご50ねんこどものみなさまへあれこれいのち」が開かれている。ちひろ美術館は今年、科学的な視点を交え、ちひろの絵を読み解く参加型の展示を展開。全3回の最後となる今回は「自然」をテーマに、作品の新たな楽しみ方を示している。
ちひろは野の草花や、虫や魚など小さな生き物を大切に描写。ゆかりの深い信州の空気感が漂う作品も多いため、「自然」を取り上げた。アートユニット「plaplax(プラプラックス)」がディレクターを務め、東京大名誉教授の鷲谷いづみさん(生態学、保全生態学)が協力した。
ちひろが好んだ紫色の作品を集めた会場で鷲谷さんは、「植物の花や果実に多い紫色は、動物に蜜や果肉を提供して花粉や種子の運搬を任せるため、存在を知らせようと進化した『共生の色』」と解説。
また、白いスクリーンに指で描いた線の形に応じ、ちひろが描いたさまざまな生き物や草花が音を伴って現れる作品も。1200円、高校生と18歳以下無料。水曜休館。
関連イベントとし9月29日午後1時半~3時半、鷲谷さんと、中央大保全生態学研究室に所属する「げんごろう博士」こと、西原昇吾さんらの講演と対話の集い「安曇野まつかわ村の野と水辺」を村すずの音ホールで開催。千円。定員200人(高校生と18歳以下無料)。28日までに同館公式サイトか、電話(0261・62・0772)で申し込む。