子どもにスポーツをさせたいけれど、どの競技が合うか分からない、運動が得意じゃなさそう…。こんな悩みを持つ保護者もいるのでは?松本山雅スポーツクラブ(松本市)では、子どもたちの基礎運動能力を向上させるドイツ生まれのボール運動プログラム「バルシューレ」を取り入れた「ボールゲーム教室」を開いています。幅広い運動に触れる中で、子どもが「自分でやってみたいこと」を発見できるかもしれません。
ドイツ生まれのプログラム取り入れ
教室はANCアリーナ(安曇野市豊科高家)で水曜、小坂田公園ミニサッカー場(塩尻市塩尻町)で金曜の夕方からそれぞれ月3回ほど行っています。ANCは未就学児(年中・年長)と小学生(1~6年生)の2クラス、小坂田は小学生クラスのみです。
遊びの要素を入れた運動は、腰に付けたタグを守りながら相手のタグを追いかけて取る「しっぽ取り」、靴をはめた片手だけを使ってボールを扱い、相手のゴールを狙う「シューズホッケー」、散らばったボールを相手の陣地に多く投げ入れた方が勝つ「クリーン大作戦」など毎回5種類ほど行います。
決まったルールはなく、コーチの西牧潤平さん(22)や今井昌太さん(40)がアレンジを加えることも。サッカーやバスケットボールなどさまざまなスポーツの要素を含んだ動きをするため、自然とボール運動の基本能力が身についていきます。
競り合うような激しい運動ではないので、未就学、小学生クラスとも学年や男女に関係なくみんなで活動します。高学年が低学年の子のレベルに合わせるなど、協力してプレーする姿も見られます。ゲーム中必ず設けられる「作戦タイム」は、子どもたちのコミュニケーション力や自発性を育てるのに役立っています。
コーチは子どもたちの名前を呼び「いいよ、ナイスプレー!」とポジティブな言葉をかけます。「一人一人の発想を認め、肯定することを大切にしています。楽しいという気持ちや達成感を育てたい」と西牧さん。
年少から続ける小学3年生の水谷碧空(あお)さん(8、安曇野市)は「ボールを使って運動したり走ったりするのが楽しい。コーチが分かりやすく教えてくれる」。4月からはサッカーも始め、同時期に弟の仁ちゃん(5)も教室に入りました。
母親の由希さんは「人見知りが激しかった仁が、今は友達との関わりを楽しんでいる。コーチがたくさん褒めてくれ、できることが増えて子どもたちの自信につながっています」。
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この教室で学んだ後、テニスやバスケットボール、ダンスを始めた子もいます。西牧さんは「いろんなスポーツにスムーズにつなげていける。やってみようという気持ちがあれば誰でも楽しめるので、運動が苦手な子にこそ勧めたい」と言います。
小4~中3向けには、フェンシングや卓球など1年間で10種類ほどのスポーツを体験できる「マルチスポーツ教室」もあり、より本格的にさまざまな競技に触れられます。
両会場とも若干名の空きあり。月謝など詳細はウェブサイトで。