筑北村地域おこし協力隊員・庄司さんが飲食店「推し活」も楽しんで

村の活性化へ新たな一歩

筑北村に「推し活」を楽しめる場所をつくりたい―と、村地域おこし協力隊員の庄司真実さん(27)=本紙コラム「風のおと」筆者=が9月1日、飲食店「筑北村のスマイリーカフェとにこにこごはん屋さん」を本城生産物直売施設ふるさと館(西条)に開いた。協力隊の任期は来年3月まで。「卒業後も村の活性化に貢献できたら」と、新たな一歩を踏み出した。

幅広い世代が集える場に

店は「幅広い世代が集える場所に」と、手頃な値段でボリューム満点な定食が売りの食堂、友人や家族らとくつろげるカフェ、仕事帰りに気軽に立ち寄れる居酒屋の三つの顔を持つ。
午前11時から午後11時までの昼夜通し営業で、唐揚げやしょうが焼きなどの定食をはじめ、ホットドッグやあんみつ、酒のつまみなど数多くのメニューをそろえる。東京で飲食店を経営する庄司さんの姉・小島明香さん(39)が協力し、営業時間内なら全てのメニューを提供。村内唯一のソフトクリーム製造機を置くのも話題に。
そしてもう一つの顔が、好きなアイドルやキャラクターなどの「推し」を、さまざまな形で応援する「推し活」を楽しむ場だ。都会には多くあるが、筑北にはない。庄司さん自身も男性人気アイドルグループの推し活を楽しむ1人。「推しがいなくても好きなことを共有でき、仲間同士で一緒に盛り上がれる場所が村にあっていい」。そんな思いが出発点だ。
店内に、推しの動画やDVDなどを観賞するプロジェクターやスクリーンを設置し、推しの写真データなどを食品添加物でドリンクや菓子に印刷できるプリンターも用意した。住民の誕生日会などでの利用も視野に入れている。

地域に感謝 任期後も村に

庄司さんは東京出身。農業を中心とする自給自足の生活への憧れや、災害が少ない環境に身を置きたい気持ちから、2022年度に協力隊員になった。村観光課職員として村のPRキャラクター作りを担当するなどし、自然が豊かで人々が温かく、農作物がおいしい筑北にぐんぐん引かれ、任期後も村で暮らす決意をした。
開店の準備を進める中で、村の人たちが資材を提供してくれたり、声をかけたりと応援してくれた。「協力隊での活動が、地域の人とのつながりを広げてくれた」と感謝する。
「おいしいご飯を食べてもよし、みんなで話をするのもよし。気軽に遊びに来て、幸せな気持ちになってほしい」と庄司さん。
毎月5~10日と水曜定休。TEL0263・55・8140