【国本梨紗のくにもとりっぷ】 #13 宮島一人さすらう旅

気がついたら広島行きの高速バスを予約していた。「どこか遠くに行きたいな」と思っていたら、ふと広島旅行の記事が目に止まったから。一人バスに揺られて約12時間。広島駅に着いて早速、路面電車に乗り、広電宮島口駅を目指す。そう、宮島に行きたかった!
海に浮かぶ鳥居は、海がない信州育ちが憧れずにはいられない景色だ。フェリーに乗り、島に降り立つと鹿がお出迎え。赤ちゃん鹿に自然と頬が緩む。真っ赤な寝殿造りの厳島神社は、やはりオーラがある。お参りを済ませおみくじを引いた。
凶─。
嘘(うそ)だ!そう思った瞬間、石畳でズッコケる。効果早くない?「神の島」ともいわれる宮島のポテンシャルが存分に発揮される。が、前を見ると厳島神社の大鳥居が夕日に照らされ、息をのむほど美しかった。
小腹がすいたので「揚げもみじ」を食べることにした。衝撃が走る。アツアツ、サクサク、ホクホクおいしすぎる!揚げもみじに出合えただけで、この旅は元が取れたとすら感じた。転んだ痛みはすでに消えていた。「ありがとう、宮島!」
(タレント、白馬村出身)