
信州ダービー 三たびの〝1-1〟
1-1は2試合連続で、今季の松本山雅FCの試合で最多7度目となるスコアだ。「信州ダービー」も延長、PK戦の末に敗れた県選手権決勝を含めると、3度ともこのスコアで90分間を終えた。J2昇格プレーオフに進出して勝ち抜くには「追加点を取る」「勝ちきる」チームに脱皮できるかが鍵になる。
残り7試合 昇格プレーオフへ勝ちきる力を
今季初めての敵地・長野Uスタジアムでのダービーは、ピッチが「サッカーができる状況ではなかった」と霜田正浩監督。踏み込むと芝がめくれ、つまずく選手も。立ち上がりはロングボールが主体だった。
前半半ばに失点すると、MF米原秀亮が仲間に声をかけた。「いつも通りやろうよ」。パスをつなぐスタイルに切り替え、直後に同点に。さらに何度も相手陣深く攻め入るシーンをつくった。
だが、勝ち越せなかった。ゴール前のプレーについて、FW安藤翼は「もっともっと質を上げないと」と言い、MF村越凱光は「シュートが枠にいかない」。攻撃の形をつくれる手応えはあるだけに、決められないもどかしさが募る。
残り7試合。「(プレーオフ圏の最終)6位以内が現実的」というMF山本康裕の認識が、チーム内で共有されつつある。ただし「5、6位じゃ意味がない」と村越。プレーオフでは引き分けの場合、リーグ順位で下位のチームが敗退する。
次節からも金沢、鳥取、YS横浜、宮崎、盛岡と下位との試合が続く。点を取って勝ちきることができるか。シーズン終盤になっても自戒し続ける課題の克服が、昇格への道を切り開く。