【ガンズリポート】マッチレビュー32節・10月13日山雅1-1金沢

待望の高井が存在感

松本山雅FCに“最後の新戦力”が加わった。FW高井和馬(30)=写真右。背番号9を背負う期待の新加入選手として臨んだ開幕前のキャンプで左膝に大けがを負い、8カ月の離脱を余儀なくされた。この日初めてベンチ入りすると、後半25分にピッチへ。20分余りのプレーで、チーム最多のシュート4本を放ち、存在をアピールした。

プレーオフ圏内浮上へ“最後の新戦力”

公式戦はJ1横浜FCでプレーした昨年9月以来だった。「声援に(気持ちが)高ぶり、戻ってこれたという感慨があった」という。ゴールを向いてボールを持った最初のプレーで、遠めから積極的に狙った。
昨季J1で1得点。それまではJ2の6季で47得点を重ねた。レノファ山口で2年半一緒だった霜田正浩監督を「男にする」と山雅に来た。自らの特徴を「ずるがしこさ」と表現。守備の裏をかき、想定外のプレーを繰り出す。
山雅でのデビュー戦で、その片りんを見せた。後半44分、ゴールを背に、浮き球のパスを胸で弾ませる。そのまま右足のオーバーヘッドシュート。ただGKの正面を突いた。
GKは「ニア(近め)にいた」と、その位置を直前に確認したという。頭越しに遠めへという瞬時のアイデアはさすが。ただ精度がイメージと少し違った。復帰してこそ得られた実戦感覚の課題だ。
「勝てなかったのは僕の責任。残り試合、ゴールでチームに貢献することにフォーカスしてきたい」
3試合連続で1─1に終わった山雅。遅れてきた背番号9が、プレーオフ圏内浮上へのキーマンとなるか。