
先月の本コラムで「令和の米騒動」について書きました。今月は「令和の農地解放」についてです。農地解放といえば、第2次世界大戦後のGHQ統治時代に、大地主の農地を政府が安価で接収し、その地で耕作していた小作農に分け与えたものでした。
昭和の農地解放を「トップダウン型」とすると、令和は「ボトムアップ型」といえましょう。農家の高齢化は、皆さんの想像以上に進んでいます。機械化により省力化ができたとはいえ、農繁期の作業は身体にこたえるものです。
ここ塩尻市広丘吉田でも、農地は持っておきたいが、耕作はしたくないという方たちが多いのが現状です。その方たちの農地の耕作は、JAや民間の穀物生産などをする企業に「丸投げ」です。
ここ3年で、紙マルチ田植え機による抑草実験に成功した広丘吉田地区と、同じ塩尻市の柿沢地区で、農地提供の話が多く出てきました。都会に出たご子孫が相続拒否したり、牧草地として利用していた乳牛農家が廃業してしまったりなど、事情は異なりますが手放したいと思われても無理はないと思います。
稲作をしたいと思えば、農地はあるという時代です。塩尻市の農業委員会は、とても柔軟に対応してくれます。一緒にやりませんか!年間定額オーナー制の「シェア田んぼ」の実証実験が始まります。1反を5家族でシェアします。年に一家族100キロ割り当てられるように設計しました。太陽と大地と水の大自然に“イネ”も“ヒト”も育ててもらえます。
耕作地がとても増えそうなので、自然農法で安心安全な米作りに挑戦する農家と一緒に、「事業協同組合小太郎組」の結成を企画中です。紙マルチなど画期的で、自然に配慮した農法は共感を呼ぶと思います。「自然栽培コシヒカリ小太郎米」=写真=を世界的ブランドに育てるつもりです。ご期待くださいね。