【ガンズリポート】マッチレビュー33節・20日山雅3-4鳥取

大量失点 昇格の道狭く

松本山雅FCは大量失点に泣いた。リーグ後半戦で最多の4失点。30節に勝ち点差なし・得失点差4まで迫った昇格プレーオフ出場圏(6位以上)は、勝ち点差4に遠のいた。残り5試合、昇格に望みをつなぐ戦いを続けられるか。

試合の流れつかめず 振るわぬ結果に迷いも

失点はタイミングも悪かった。勝ち越しの2点目を許したのは後半27分。ピッチサイドでFW高井和馬とMF安永玲央が交代出場の準備を終えて待っていた。攻めの機運がそがれると、2人の投入直後に3失点目を喫した。
4失点目は、高井がPKを決めて1点差に迫った直後。スタジアムが沸騰するほどの反撃のボルテージが、一気に下がった。
2日前、霜田正浩監督は、1―1が3試合続く状況に「原点に立ち返る。攻撃の練習を増やした」ときっぱり言った。それが試合後、「このメンバーでよかったのか、この練習でよかったのか」と、勝敗に左右されての迷いを吐露した。
選手もベンチも流れをコントロールしかねる試合展開に、今シーズンの戦いぶりが重なる。2連勝は前半戦で2度あっただけで、後半戦はまだない。
今月上旬、FW浅川隼人は「浮き沈みなく、あたふたすることなく、淡々とできるか」が、浮上の鍵を握ると話した。「チームとして若さがあるのかも。そこに貢献できればいい」とも語った29歳は敗戦後、真っ先に観客の下へあいさつに向かった。
経験豊富な30歳の高井も「チームのため、応援してくれる人たちのため、そういう思いがプレーに乗り移る」と言う。昇格への狭い道を、迷いなく進めるか。