【亜矢子先生に聞いてみよう!】#46 テストの点数とお小遣い

Q テストの点数が上がったらお小遣いが欲しいと言われました。そんなお金の渡し方をして良いか悩みます。(中学2年男子の父)

勉強は子どもの「仕事」頑張りで報酬も

A お子さんに言ったことはありませんか?「子どもは勉強するのが仕事!」と…。「お金で釣っていいものか」という不安も分かりますが、悩みを相談した時点で、お金について真剣に考えているご家庭です。もう中学生なので、お子さんの要望を尊重し、大人の「仕事」と同じように頑張って働いた(勉強した)ら報酬がもらえるシステムをお試しで導入してみるのはいかがでしょう?塾の中高生に聞いてみたところ、全員が「それなら頑張れる!」と言ってますし(笑)。ではメリットを考えてみましょうか。
(1)計算の実践練習ができる。
例えば、金額は取った点数に10円を掛ける(350点は3500円)、1順位につき×50円(10番上げたら500円)、などお子さんと交渉しながら決めることが大事。
(2)主体的に勉強するきっかけになる。
今までより真剣に自分の現在地を意識できるため、そこからの目標が明確に設定しやすい。成果によって報酬が変わるのも、大人の世界の疑似体験です。
(3)未来をイメージして自己コントロールができる。
勉強も仕事も「目的」ではなく、よりよく生きていくための「手段」です。子どもに「勉強しないと将来困るよ!」と言っても理解は難しいですが、得たお金の利用目的を考えることを通して未来の存在を感じるでしょう。
(4)子どものマネーリテラシーを育てられる。
さまざまな使い道を考えることは高校で導入された金融教育にもつながります。定期的にもらえる小遣いよりも、努力して得たお金はより慎重に考えて使う可能性が高いです。
注意してほしいのは、失敗したときに絶対に責めたり馬鹿にしたりしないこと。諦めずに次の挑戦に向かえるよう、大人の見地から手を差し伸べることが重要です。
家庭内で話し合って制定した「報奨金(努力に対して励ます金銭)制度」が、努力と工夫次第で成果が上がることを実感するだけでなく、生活していくうえで切っても切れないお金との関係・距離感を健全に育む家庭教材となることを願います。
(小島亜矢子一般社団法人こどものみらい舎代表)