生坂村の小立野区長、赤羽清さん(72)が、同地区の神社「平(たいら)七社(しちしゃ)」に、神社名を彫った石柱「社標」を奉納した。趣味の彫刻の技術を生かして自ら半年かけて彫ったもの。12日の秋季例大祭で神事を行い、地域の人にお披露目した。
社標は高さ1・8メートル。「小立野平七社」と大きく彫ってある。「地元の人以外は名前も知らないかもしれないが、地域の守り神を知ってほしい」と今年4月から彫り始め、9月に完成。神社に面した道路から見える位置に据え、一目で名称が分かるようになった。
同地区で生まれ育った赤羽さんにとって、平七社は心のよりどころ。10年ほど前から感謝の気持ちを込め、木製の看板や灯籠などを自費で製作した。昨年は、埋もれかけていた道祖神の土台を新設したり、自身で彫った道祖神を奉納したり。こうした取り組みが評価され昨年、県神社庁から表彰を受けた。
赤羽さんは「高齢化が進み、お祭りも縮小傾向にあるが、地域の人の心のよりどころとして関心を持ってもらいたい」。同神社大総代の中村豊二さん(69)は「地域の守り神。環境をきれいに整えてくれることに頭が下がる思い」と感謝した。