
女性ホルモンバランスの大きな変化で40~50代に起きる更年期障害。のぼせや肩凝り、疲労感、いらいらなど、心身に不調が出る。そんな悩みを少しでも解決できればーと、ピラティストレーナーの資格を持つフリーアナウンサーの樋口有紀さん(55、松本市鎌田)に、更年期にお勧めの「いい姿勢」を保つための簡単な運動を教わった。
樋口さんは、更年期でも心身を快適に保つには「姿勢が一番大切」と強調。背中が曲がると首が前に出る、猫背だと骨盤が倒れ、膝も曲がる。こうした悪い姿勢でいると、更年期障害だけでなく、尿漏れ、膝に水がたまるといった症状も出やすいという。
いい姿勢を保つには、筋力が必要。しかし、ゆがんだ体のままではトレーニングしてもなかなか効果が出ない。そこで「まず体を緩めてほぐし、ゆがみを直すことが大事。ゆがみが改善されると、体と心の健康につながります」とし、以下の運動を推奨。「1カ月は続けてみて」と力を込める。
【運動法】
①朝、目覚めたら布団の中で、足首を大きく外側に回す(15回)。続けて同じように内側に回す(同)。左右同時に行う。
②背中が丸まらないように四つんばいになり、片方のふくらはぎにもう片方の足を載せ、上体を起こす=写真1、2、3。載せた足を少しずつ膝に近づけ、同じように上体を起こし、ももの裏やふくらはぎが痛いと感じる手前で止める。血流がよくなり、むくみや疲れが取れるという。
③おなかの出っ張りが気になる人は、おなかを「ぐっ」と強めにつまみ、その後、おなかを伸ばしてよい姿勢を取る。

④正しい姿勢の保持に大きな役割を果たす大腰筋。この筋肉は、みぞおちの真後ろの背骨から出ているので、そこに手を当て意識しながら姿勢を正す=写真4。歩くときは、大腰筋の動きを感じながら大股で歩く。
⑤仰向けになり、足を上げて曲げ、片方の膝に、逆の足を載せる。足を載せた膝を、手で上体に引き付ける=写真5。この動作がきつい場合は、タオルなどを使う=写真6。
樋口さんの母は、毎日ラジオ体操や散歩を欠かさず、野菜作りに励み、料理にも気を使っていたが、くも膜下出血で倒れ、動けなくなり、亡くなったという。
「健康的な生活を送っていたのにどうしてこんな亡くなり方をするんだろう」。その疑問が体に興味を持つきっかけになったという樋口さん。インスタグラム「更年期からは毎日リセット!健康で美しいオトナ女子に」でお勧めの運動、食事などを紹介している。