松本市の松本県ケ丘高校探究科3年・橋本あかりさん(17、安曇野市)は、多世代の居場所づくりがしたいと昨年と今年、「駄菓子屋らいと」を松本市内で計3回出店した。大学受験が一段落したら、さらに工夫を凝らしたイベントを開こうと、勉強の合間に頭をひねっている。
「居場所づくり」探究して
中学生の頃から子ども食堂などの居場所づくりに興味があった橋本さん。高校1年の終わりに探究課題を決める際、学校の探究コーディネーターの助言もあり、多世代が交流できる駄菓子屋を開こうと決めた。
とはいえノウハウがなく、場所の当てもない中、コーディネーターからコミュニティスペース「出居番丸西」(城東1)を運営する岩田清美さん(60)を紹介された。いつか駄菓子屋を開きたい―と思っていた岩田さんと意気投合し、二人で朝日村にある駄菓子屋を訪ねて学んだ。
商品はインターネットで仕入れ、経費を差し引いてほぼ原価で販売することに。屋号の「らいと」には、英語のRight(権利)とLight(明かり)の両方の意味を込めた。「誰でも来られて明るくなれる」と橋本さん。
昨年10月に出居番(でいばん)丸西に出店した初回は、多くの高校生や大人が来場したが、「購入以外に何をしていいか分からない」と指摘を受けた。12月の2回目は、会話のきっかけづくりにバルーンアートやビンゴゲームなどを用意し、子どもらでにぎわったが、今度は多世代の交流がなかったと反省。「でも、みんなその場を楽しんで笑顔になって、やってよかった」
「居場所は刺激的でもあり、気軽に来られるが、一つの通過点になればいい」という岩田さんの言葉が、心に残ったという橋本さん。「お茶を飲みながらゆっくり過ごしたり、外で遊んだりと、子どもと大人が交流する面白い仕掛けができれば」と、次回を思い描いている。