誰もが「走り」を楽しむ場に―CHUSHIN松本ランニングクラブ代表・宮澤花奈実さん

障がいある人も参加を

「走る楽しさや面白さを知ってほしい」。月に1度、信州スカイパーク(松本市・塩尻市)で練習会を開く「CHUSHIN(中信)松本ランニングクラブ」には、年齢や性別を問わず市民ランナーが集う。創設者で代表の宮澤花奈実(かなみ)さん(23、松本市笹賀)は、障がいがある人にも参加してもらい、一緒に走れるクラブを目指している。
発足5年目になるクラブの登録メンバーは、小学生から70代までの約80人。このうち毎回20人ほどが練習会に参加する。「1人だと苦しいことも、仲間がいると楽しいし、やる気も出る」と宮澤さん。ランニングという共通の趣味を持つメンバーの、情報交換の場にもなっている。

月1回練習会に20人集う

小学生の頃から走るのが得意で地域の陸上クラブに入り、中学高校で競技を続けた宮澤さん。菅野中2年時から松本深志高3年時まで5年連続で、県縦断駅伝の松本市チームのメンバーに選ばれ、高校3年時は社会人と大学生に次ぐ区間3位の力走を見せた。
都内の大学に進学した2020年は、コロナのためリモートの授業が続いた。その頃何となく目にしたテレビ番組で、健常者と障がい者が一緒に陸上に取り組むNPO法人「シオヤレクリエーションクラブ」(千葉市)が取り上げられていた。
「誰もが走ることを楽しめる、こんなクラブをいつかつくれたら」。そんな夢を抱き、同クラブの教室に出向いて見学もした。「いつかではなく、時間がある今、やってみよう」と決心し、中学時代の陸上部の仲間に声をかけ、5人でクラブを発足させた。
SNSを通じて周知し、陸上関係の知人にも声をかけ、同年8月に開いた初めての練習会には、30人が集まった。

クラブには現在、初心者からフルマラソンで3時間を切る「サブ3」の人まで、幅広いランナーが所属する。練習会では、宮澤さんが経験に基づいて考えたメニューに取り組むほか、メンバーで駅伝やリレー大会を行ったり、互いにアドバイスし合ったり。和気あいあいとした雰囲気だ。
メンバーに障害がある人はまだいないが、「健常者と障がい者が一緒にスポーツをする機会は少ない。スポーツを通じ、誰もが一緒に好きなことを楽しめる場にしたい」と宮澤さん。
参加費(1回)18歳以上200円、小中学生100円、未就学児は無料。練習会の予定や様子はクラブのインスタグラムに。問い合わせはメール(chushinmrc@gmail.com)で。