触れ合い力に新たな挑戦 手しごと館でのむらみきさん抽象画展

松本市浅間温泉の画家、のむらみき(本名・野村美紀)さん(44)の作品展「星くずのまち」が17日まで、浅間温泉手しごと館(ホテル玉之湯内)で開かれている。高校生の時に統合失調症を発症、体調に波がある中でも長年創作に打ち込み、今展では「地元の人の優しさに触れて暮らす日々から新しい挑戦ができた」という抽象画10点を展示する。主にアクリル絵の具を使用。筆の他、割り箸やつまようじでキャンバスを引っかいたり、拾った葉を押しつけたりするなどして独創的な世界を表現した。
「心の毒を取り除くような作業を重ねて出来上がった」という作品群は、心の闇を吐き出したような暗い色彩の中にも明るい色を随所に用いて「一筋の希望を落とし込んでいる」とのむらさん。心模様や地元の良さを描き出している。
これまでは花がモチーフの作品が多かったが、20年暮らす松本の人たちとの触れ合いから意欲が湧き、抽象画という新たな挑戦に踏み出した。のむらさんは「アートには答えがない。自由に受け止めてほしい」と話す。作品は販売もする。
午前10時~午後4時。木曜定休。同館TEL090・4159・3610