勝利の余韻に浸りながら勝因を聞く─。松本山雅FCがテゲバジャーロ宮崎に勝った直後の11月2日夜、そんなイベントが喫茶山雅(松本市大手4)で初めて開かれた。観戦したばかりのファン・サポーターが、ビール片手にクラブの指導者と中継映像を見返し、勝利の喜びとサッカーの見方を新たにした。
サンプロアルウィンに凱歌(がいか)「勝利の街」が響いた2時間後、喫茶2階の大画面の中で、再び試合開始の笛が吹かれた。ホーム戦で山雅が勝つと催す「アフターゲームショー」。10月13日のツエーゲン金沢戦でも企画されたが引き分けで、この日が初開催となった。
今回、参加者と席を並べたのは、育成組織の菊原志郎アカデミーヘッドオブコーチング(55)とレディースの小林陽介監督(41)。結果が分かっているため観戦はリラックスした雰囲気で、気軽に感想を交わしたり、参加者が解説を請うたり。
元Jリーガーでもある菊原さんは、戦術の見方を指南。「右サイドを使われ(攻められ)ている。選手が感じて修正しないといけない。ゲームプランは試合中にどんどん変わるもの」という指摘に、参加者がうなずいた。
東京在住の50代の夫婦は、サンアルからハシゴ。夫は「勝った試合を見ながらクラブの人と話せるのは、むちゃくちゃいい」、妻も「勉強になった」と満足げ。
喫茶でこれまでアウェー戦のパブリックビューイングはあったが、ホーム戦は運営する人繰りが課題だった。だが、「勝ってみんなで乾杯し、盛り上がれる場所をつくりたかった」と運営会社の小澤修一社長(45)。ホーム開催時の喫茶の活用策にもなると企画した。
初回の参加者はわずか5人。小澤社長は「じっくり交流できた」としたものの、「試合後もSNSで告知したらよかったのに」という参加者の指摘に「そうですね」。勝てばホーム最終戦後となる次回以降の課題とした。