池田工業高校(池田町)機械・電気学科電気情報専攻3年の丸山樹さん(17、松本市梓川梓=写真右)が、県内の工業を学ぶ高校生が自作ロボットの性能や操縦技術を競う「ROBOCON IN 信州2024」(県工業高校長会など主催、9月21日・下諏訪町)のロボット相撲競技リモコン型部門で優勝した。機体の創意工夫と仲間の敗戦から練った戦略で頂点に立った。
創意工夫と戦略光り頂点
競技は土俵上でロボットを対戦させ、相手を土俵外に押し出せば勝ち。3本勝負のトーナメントで競った。自動で動くプログラムミングをした「自立型」と、操縦者が操る「リモコン型」の2部門があり、同校からは樹さんの「エマープ」=写真手前=と、同専攻3年の丸山友涼紀さん(18、池田町中鵜=写真左)の「ク・オッカ」が、それぞれ両部門に出場した。
課題研究の授業と部活動の「電工電算部」で春から試作を重ねた二人の機体は、先端にグリップ力に優れたゴムを付けた格納式の「角」を持つのが特徴。機体を後退させる反動で上部から降りた角で相手に当たり、浮かせて土俵下へ落とす作戦だった。
リモコン型には24台がエントリー。友涼紀さんは初戦で、ベルトコンベヤーのような装備を持つ岡谷工業生のロボットと対戦し、角がベルトコンベヤーに引っかかり、押されて敗れた。
一方の樹さんは角を武器に順調に勝ち進み、決勝は友涼紀さんが敗れた相手との対戦に。池工勢の機体の特徴が分かっている相手に「出さない方が勝てるのでは」と角を“封印”する策を取り、1勝1敗で迎えた3戦目は電車道で押し出した。
樹さんは「まさかの優勝。手が震えた」。友涼紀さんは「自分が敗れた相手を破ってくれ、うれしかった」。友涼紀さんは昨年、同大会の自走ロボット競技ライントレース部門で優勝しており、二人は「後輩にも挑戦してほしい」と願っている。