松本市元町の画家・山下康一さん(59)は12月3日まで、山岳写真家の増村多賀司さん(60、池田町中鵜)、布絵作家の坂井真智子さん(61、新潟市)と、「山の風景三人展」を池田町池田の「カフェ風のいろ」で開いている。3人そろって好きだという北アルプス鹿島槍ケ岳などをテーマにした計23点が並ぶ。
「墨絵」「写真」「布絵」で表現
山下さんは独特の手法を用いたモノクロの「墨絵」を主に出展。漆黒の闇を表す空の色を出すために墨を10~15回塗り重ねる。「白い雪の部分は何の画材を使うのかとよく聞かれるが、元の紙の色」と説明。大町市内から見た鹿島槍などが並ぶ。
増村さんは、黒沢尾根から真正面に見た厳冬期の鹿島槍の写真を展示。「鹿島がきれいに見える場所だと思う。山が一番立体的に見える午後の時間帯に合わせて撮影した」と言う。他に、昨年発見された「紫金山・アトラス彗星(すいせい)」が鹿島槍に沈む様子を今年10月に捉えた写真などもある。
坂井さんは、「鹿島槍ケ岳五月|美麻より」など。布絵にしては大きい「朝霧にうかぶ」(48×32・5センチ)は、五竜岳に霧がかかった様子を、布に薄い接着芯をかぶせることで表現。手前の田には5種類の布を使った。
3人は、それぞれの個展に顔を出し合ううちに親しくなり、今回の合同展を企画した。
午前10時~午後5時(最終日は4時半)。水~金曜休み。同カフェTEL0261・85・0005