災害時の緊急放送にコンビニが協力 迅速で正確な情報を 高ボッチ高原FM新たな伝達システム

塩尻市と朝日村が主な放送エリアの「高ボッチ高原FM」を運営する「しおじりコミュニティ放送」(同市大門三番町)は、災害時に行う緊急放送に、エリア内のコンビニエンスストア16店舗の協力を得る仕組みを整えた。コミュニティー放送の速報力と、地域に分散するコンビニの立地を生かした、新たな情報伝達システムという。
大地震や台風、集中豪雨などの発生直後に、主に長野道塩尻北インターとJR塩尻駅間の主要道路に近いコンビニから店舗周辺の情報を提供してもらう。道路や電気、水道などインフラの被災状況や、病院や学校、避難所などの様子を、迅速かつ正確に伝えるという。
同局は両市村と近隣の6万世帯に向けて24時間放送し、インターネットを通じて全国で聞くことができる。停電すると瞬時に起動する自動発電機を市内のスタジオ(大門三番町)と送信所(片丘)に備え、停電時の長時間放送も可能。2022年に、災害時に被災状況や避難所などの情報を臨時放送する協定を両市村と結んでいる。
中村修社長(79)は「このような情報収集の仕組みは、コミュニティーFMでは全国初では」とし、「地震でコンビニの商品が散乱した状況を聞いたり、買い物客が実際に見聞きした生の情報を集めたりして放送することで、リスナーに適切な行動を促せる。住民の安全を支える放送局でありたい」と話している。