予選会で競い 次は別の舞台へ
自作したロボットで課題に挑むコンテスト(ロボコン)の二つの全国大会に、塩尻市の小学生が1人ずつ出場する。夏の県予選でしのぎを削った2人が、それぞれの大会で頂点を目指す。
リーダーとしても力発揮を
国内最大規模の「小学生ロボコン」で昨年、全国優勝した吉田小学校6年の古田渉留(わたる)さん(11)=写真左=は、今年も長野予選会(8月)を制し、11月24日に東京・サンシャインシティで開く全国大会に出場する。
今年のテーマは「ベストフレンド」。動物をモチーフにしたロボットが多い中、古田さんは消しゴムをデザインした。「必ず筆箱に入っていて、ある意味、友達だから」
全国大会は、各予選の通過者が3人ずつチームを組んで競い、連覇が懸かる古田さんは、今年は下級生のチームメートを引っ張るリーダーも務める。「去年のリーダーがかっこよかった。恥ずかしがらずにみんなをまとめ、いいところを組み合わせたい」
合宿やオンラインで戦術などを話し合い、「もめることがなくなって、チームはいい感じ」という。「小学生最後のロボコンも優勝し、リーダーとして憧れられるようにしたい」と意気込む。
影響受けた兄の成績目標に
長野予選会で全国王者の古田さんに「やべぇって思った」と言わせたのは、桔梗小学校4年の宮本昂(すばる)さん(10)=写真右。古田さんに次ぐ2位になり、後日「きのくにロボットフェスティバル」(12月14、15日・和歌山県御坊市)の「全日本小中学生ロボット選手権」への招待状が届いた。
幼い頃からもの作りが好きだった宮本さん。折り紙で建物の模型を作るなどし、今も学校ではペーパークラフト部に入っている。料理も作り、ピアノも習う。「好きなものがありすぎて困る」と笑う。
ロボット好きは兄の影響だ。広陵中学校2年の昊(そう)さん(13)は3年前、小学生ロボコン全国大会のアイデア部門で優勝し、弟は「自分も(全国大会に)出たい」と強く思った。製作の仕方は兄弟でだいぶ違い、兄は緻密に設計図を書くが、「弟は長さも測らず、感覚で材料を加工してきれいに作れちゃう。不思議」と母親のせいらさん(41)。
小中学生選手権は、こぶし大のボールを打ち出すのが課題の一つ。砲身にポテトチップスの筒を使うことをひらめき、実際に使うとぴったり。家族で食べて、材料をそろえた。
この大会で好成績を収めると、来年の小学生ロボコン全国大会の出場権が得られるといい、「(兄と同じ大会で)優勝したい」。目標に向け、対戦用のロボットを作ってくれた兄を相手に、実戦練習を積んでいる。